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障害者控除とは?手帳なしや療育手帳でもOK

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所得税や住民税の減税制度のひとつである障害者控除についてまとめてみました。



障害者控除とは?

本人や家族に障害者がいるときに適用できる

国税庁のwebサイトには以下のように記載されています。

1 障害者控除の概要
納税者自身、同一生計配偶者(注)又は扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

国税庁 No.1160 障害者控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm

簡単に言うと、本人やその家族に障害者がいるときに所得税や住民税の優遇を受けるという制度です。

対象となる人

減税の対象になる障害者かどうかは税法で明確に定められています。障害の度合いによって一般障害者と特別障害者に分類されます。

障害の種類 一般障害者 特別障害者
事理を弁識する能力を欠く 家裁から後見開始の審判を受けた人(成年被後見人)
療育手帳の等級(知的障害) 中度、軽度の人 最重度、重度の人
精神障害者保健福祉手帳の等級 2級、3級の人 1級の人
身体障害者手帳の等級 3級~6級の人 1級、2級の人
戦傷病者手帳の等級 第4~第6項症、第1~第5款症の人 特別項症、第1~第3項症の人
被爆者 厚生労働大臣の認定を受けている人
寝たきり(証明書がなくても大丈夫です) 6か月以上寝たきりで、自ら排便等をすることができない状態にある人
介護保険の要介護、要支援認定 65歳以上で障害者控除対象者認定書を受けた人(市区町村によって基準が異なります)

障害者だけの制度ではない

一般的に障害者手帳が交付されていなければ受けられない制度だと思われがちですがそうではありません。

障害者ではない老人であっても、介護保険の要支援や要介護の認定を受けていて、市区町村から「障害者控除対象認定書」の発行が行われれば障害者控除を適用することができます。

障害者控除対象認定書が発行される基準は住んでいる自治体によっても異なってきます。一度、市区町村に問い合わせて確認してみましょう。障害者控除は大きな減税制度です。思わぬ節税につながったりします。

詳しくはこちらのページでまとめています。

手帳の交付申請中であってもOK

まだ障害者手帳などの交付を受けていない人であっても、手帳の交付の申請中であったり、申請をするために必要な医師の診断書の作成を行っていたり、交付が受けられる程度の障害があると認められれば障害者控除を受けれらます。

その年の12月31日で判定する

障害者に該当するかどうかはその年の12月31日で判定します。そのため、交付や証明書を受けた年から障害者控除の適用を受けることができます。

家族が死亡したときは亡くなった日で判定する

ただし例外があり、家族が死亡した年の障害者控除は、その家族が亡くなった日で判定します。そのため、家族が死亡した年も障害者控除の適用を受けることができます。

家族の範囲について

障害者控除の対象となる家族は、正確には同一生計配偶者や扶養親族といいます。

  • その家族のアルバイト・パート収入が103万円以下であること。
  • 本人と生計を一にしていること
  • 配偶者もしくは、血族6親等、姻族3親等内の親族であること

以上を全て満たすとき同一生計配偶者もしくは扶養親族に該当し、障害者控除の適用を受けることができます。

「生計を一」と「血族6親等、姻族3親等」については別のページで詳しくまとめています。

本人の収入や障害者の年齢の制限はない

扶養控除は子どもが16歳未満であると適用を受けることができず、配偶者控除は本人の給与収入が1,220万円を超えると適用を受けることができません。

一方、障害者控除にはこのような制限は一切ありません。そのため、扶養控除や配偶者控除が適用できなくても、障害者控除が適用できるときがあります。

控除額の計算

控除額の一覧

控除額は一般障害者と特別障害者から3つに区分されます。本人が障害者のときは一般障害者と特別障害者どちらかの適用になります。

区分 所得税での控除額 住民税での控除額
一般障害者 27万円 26万円
特別障害者 40万円 30万円
同居特別障害者 75万円 53万円

障害者1人にかかる控除額となりますので、2人以上いれば、それぞれを合計した金額が控除額となります。

同居特別障害者とは?

  • 家族が特別障害者に該当している
  • 本人(もしくは配偶者など)と特別障害者が同居している

以上を全て満たすとき「同居特別障害者」となり控除額が「特別障害者」よりも大きくなります。

特別障害者と本人が同居していなくても、生計を一にする配偶者と特別障害者が同居している場合には「同居特別障害者」に該当します。

障害者控除の適用を受ける方法

要件を満たしているだけでは減税を受けることはできません。年末調整や確定申告で手続きを行うことによって適用が受けられます。

年末調整で受ける

会社員の人は、10月11月ごろになると勤務先から年末調整の書類が配られ記入を求められます。その配られた書類のひとつ「扶養控除等申告書」に必要事項を記入して提出すると、会社の方で障害者控除の適用の手続きが行われます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

障害者手帳や証明書の提出を求められることもある

障害者控除は障害者手帳のコピーや証明書などを提出しなくても受けられる制度です。しかし、会社によっては手帳や証明書の提示を求めるところもあります。

年末調整の書類によって、家族に障害者がいることが会社に知られたくない人は、確定申告を行うことによって会社にバレずに障害者控除の適用を受けられます。

確定申告で受ける

翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

障害者手帳や証明書は提出する必要はない

確定申告書と一緒に障害者手帳や証明書を提出する必要はありません。

住民税も自動的に減税される

年末調整や確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、年末調整や確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税の障害者控除を受けたということになります。

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