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寡婦控除(寡夫控除)とは?離婚したときに適用できる?要件について分かりやすく解説!

投稿日:2017年11月13日 更新日:

所得税や住民税の減税制度のひとつである寡婦控除(寡夫控除)についてまとめてみました。寡婦と寡夫どちらも読み方は「かふ」です。シングルマザーやシングルファザー、未亡人はおさえておきたい制度です。

適用を受けられるかどうかの判定機も用意しています。



寡婦控除(寡夫控除)とは?

寡婦(寡夫)のとき適用できる

国税庁のwebサイトには以下のように記載されています。

1 寡婦控除の概要
納税者自身が一般の寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。

国税庁 No.1170 寡婦控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1170.htm

1 寡夫控除の概要
納税者自身が寡夫であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。

国税庁 No.1172 寡夫控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1172.htm

つまり、本人が寡婦(もしくは寡婦)に該当するとき税金の優遇を受けるという制度です。

寡婦(寡夫)とは?

一般的に配偶者と別れ独身でいる人を寡婦(寡夫)といいますが、税法では定義が明確にされていて、本人の性別で要件が異なります。

  • 寡婦 → 女性のみ
  • 寡夫 → 男性のみ

慣れない言葉も多いため分かりづらくなっています。簡単な判定機はフローチャートの下にあります。

寡婦の要件

「特別の寡婦1」と「寡婦」の2段階に分かれます。「特別の寡婦」の方が要件は厳しいですが、寡婦より大きな減税を受けられます。

未婚のシングルマザーには適用されない制度です。市区町村の保育料や福祉制度では「みなし適用」という未婚でも受けられる制度がありますが、所得税や住民税では未婚は一切認められていません。

子どもがいなくても適用できる

一般的に子どもを持つシングルマザーだけが対象となる制度と思われがちですが、そうではありません。

扶養親族の子どもがいなくても適用できるため、夫を亡くしたと高齢者の女性も対象となることがあります。

寡夫の要件

寡婦は2段階に分かれておりましたが、寡夫は1段階しかありません。経済的に優位の男性(寡夫)の方が要件が厳しくなっています。

寡婦と同様に未婚のシングルファザーには適用されない制度です。

寡婦とは異なり、寡夫は子どもがいなければなりません。扶養親族が親しかいない場合は適用を受けることができません。

 

要件の細かい説明については下をクリックすると表示されます。

+ 同一生計、合計所得金額、総所得金額等について

生計を一にする、同一生計

同一生計とは、必ずしも同居しなければならないということではありません。別居していても要件を満たせば「同一生計」に該当することもあります。詳しくはこちらでまとめています。

合計所得金額500万円以下

給与収入では、年収6,888,889円以下なら合計所得金額が500万円以下となります。

給与以外に所得がある場合の合計所得金額について、詳しくこちらでまとめています。

総所得金額等38万円以下

無収入だったり、パート・アルバイト収入が103万円以下なら総所得金額等が38万円以下となります。

合計所得金額と総所得金額等は非常によく似たものです。詳しくこちらでまとめています。

判定機

要件は難しい言葉で細かく定められているので、簡単に確認できるように判定機を用意しました2。本人の性別や1年間の給与の収入額、家族状況を選択すると判定が表示されます3

その年の12月31日で判定する

寡婦(寡夫)に該当するかどうかの判定はその年の12月31日で判定します。そのため、離婚や死別した年から寡婦控除(寡夫控除)の適用を受けることができます。

控除額

控除額の一覧

寡夫の方が要件が厳しいですが、寡婦と控除額は全く同じになります。

区分 所得税での控除額 住民税での控除額
寡婦 27万円 26万円
寡夫 27万円 26万円
特別の寡婦 35万円 30万円

配偶者(特別)控除と一緒に適用できることもある

配偶者が死亡したときの配偶者(特別)控除の適用は亡くなった日で判断をします。配偶者(特別)控除の要件も、寡婦(寡夫)の要件もどちらも満たしていれば、一緒に適用を受けることが可能です。

寡婦控除(寡夫控除)の適用を受ける方法

要件を満たしているだけでは減税を受けることはできません。年末調整や確定申告で手続きを行うことによって適用が受けられます。

年末調整で受ける

会社員の人は、10月11月ごろになると勤務先から年末調整の書類が配られ記入を求められます。その配られた書類のひとつ「扶養控除等申告書」に必要事項を記入して提出すると、会社の方で寡婦控除(寡夫控除)の適用の手続きが行われます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

住民票など配偶者がいないことを証明する書類は必要ありません。

確定申告で受ける

翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

住民票など配偶者がいないことを証明する書類は必要ありません。

住民税も自動的に減税される

年末調整や確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、年末調整や確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税の寡婦控除(寡夫控除)を受けたということになります。

  1. 「特定の寡婦」ということもありますがどちらも同じです。
  2. 給与所得以外の所得があるときには対応していません。
  3. ここでは「総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子がいる」と「扶養親族である子がいる」はほとんど違いがないので一緒にしました。

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