【税理士監修】難しく複雑な税金制度を分かりやすく簡潔に!

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所得税

個人の青色申告とは?条件や特典など分かりやすく解説!

主にフリーランスや自営業、不動産オーナーの人が対象になる青色申告についてまとめました。節税の効果が高く、様々なメリットがありますが、条件が多くありますので、しっかりおさえておきましょう。

青色申告とは?

個人事業の節税の制度

  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 山林所得

これらの所得がある個人が、事前に税務署に手続きを行って所定の確定申告を行うことです。青色申告の人のみが対象となる制度がいくつかあり、その制度を使うことによって大きな節税を行うことができます。

青色申告をしていない人は白色申告と言われています。

所得税や住民税だけじゃない

青色申告の人が対象となる制度の適用によって、減らせる税金や保険料は次の通りです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 国民健康保険料(税)
  • 介護保険料
  • 後期高齢者医療保険料

所得税や住民税だけでなく、様々な税金や保険料に影響します。フリーランスや自営業、不動産オーナーにとって大切な節税の制度です。

青色申告の特典

青色申告の人が適用できる主な制度や特典は次の通りです。

  1. 青色申告特別控除
  2. 青色事業専従者給与
  3. 少額減価償却資産の特例
  4. 純損失の繰越控除
  5. 純損失の繰戻し還付
  6. 一括評価による貸倒引当金
  7. 低価法

1.青色申告特別控除

事業のためにかかった支出が経費となりますが、その経費を更に最大で65万円増やすことができる制度です。所得が減らすことができるため、大きな節税ができる代表的な特典です。

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2.青色事業専従者給与

個人事業の業務や経営に関わっている家族に支給した給料が全額経費になる制度です。白色申告では事業に関わる家族の人数で決められ、一人あたり年間50万円(配偶者は80万円)となります。

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3.少額減価償却資産の特例

取得金額が10万円以上30万円未満の備品等が全額経費にできる制度です。白色申告では10万円以上のものは取得した年に全額経費にすることはできず、何年かに分けて計算されます。

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4.純損失の繰越控除

事業によって生じた赤字を翌年以降3年間繰り越すことができる制度です。繰り越すことによって、翌年以降に利益が発生した場合、利益と相殺することができます。

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5.純損失の繰戻し還付

利益が出た翌年に損失(赤字)が発生したとき、利益が出た年に納めた所得税の一部(もしくは全部)を還付してもらうことができる制度です。

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6.一括評価による貸倒引当金

12月31日時点で債権がある場合、その債権の5.5%を貸倒引当金として経費にできる制度です。白色申告では、貸倒引当金は取引先に破産などで債権がなくなる恐れがある場合にしか計上できません。

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7.低価法

棚卸資産の評価方法について、仕入金額で評価する方法(原価法)と仕入金額と時価を比べて低い方を棚卸額とする方法(低価法)を選べるようになります。

青色申告の条件

青色申告の条件は4つあります。

  • 青色申告承認申請書の提出
  • 青色申告決算書の提出
  • 帳簿書類の保存
  • 期限内に確定申告(一部)

青色申告承認申請書の提出

所轄の税務署に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。申請書は開業届と一緒に提出するのが一般的です。

書き方などについては詳しくこちらのページでまとめています。

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提出の期限

申請書の提出期限は青色申告をしたい年の3月15日までです。ただし、開業した年の場合は開業日から2か月後までが期限となります1つまり、確定申告が始まるずっと前に申請書は提出しなければなりません。

期限を過ぎて提出してしまうと、その年は白色申告となり、翌年以降が青色申告となりますので気を付けましょう。

青色申告決算書を一緒に提出する

所得税の確定申告書と一緒に青色申告決算書という書類を提出しなければなりません。

青色申告決算書とは事業で生じた収入や経費、財務状況をまとめた書類です。白色申告では収支内訳書という書類に代わりますが、青色申告決算書の方が詳細な記載が求められています。
 icon-chevron-circle-right 青色申告決算書(一般用)(国税庁webサイト)
 icon-chevron-circle-right 青色申告決算書(不動産所得用)(国税庁webサイト)
  青色申告決算書(農業所得用)(国税庁webサイト)

基本的に個人事業の人は一般用を使用しますが、不動産所得や農業所得がある人は専用の書類を使うことになります。

簿記の知識が必要になる

青色申告決算書の1ページ目に損益計算書、4ページ目に貸借対照表があります。特に貸借対照表は簿記の知識がないと作成することができませんが、最近では青色申告用の会計ソフトを使うことによって簡単に書類を作成することができます。

おすすめのソフト

会計ソフトのシェアが一番の弥生株式会社の商品「やよいの青色申告オンライン」をおすすめしています。

パソコンだけでなく、スマホでも取引を記録することができ、簿記の知識が少ない人でも扱えるようになっています。1年目は無料なので試しに使ってみたいという人にもぴったりのソフトです。

帳簿書類の保存

確定申告のために使用した帳簿書類は7年間ないし5年間各自で保存しなければなりません。保存期間は次の通りです。

帳簿書類 保存期間
・仕訳帳、総勘定元帳、貸借対照表、損益計算書など(会計ソフトで作成される書類)
・現金出納帳、預金出納帳
・領収書、預金通帳
7年
請求書、契約書、見積書など 5年

保存期間の起算点はその申告期限の翌日から行います。つまり、平成31年(令和元年)の確定申告は2020年3月16日から起算するので、7年では2027年3月15日まで保存しなければなりません。

期限内に確定申告

  • 65万円の青色申告特別控除
  • 純損失の繰戻し還付

この2つに関しては3月15日までに確定申告書を提出しなければ適用を受けることができません。それ以外の制度については3月16日以降に提出したとしても適用を受けることができます。

期限後申告を繰り返すと取り消される

期限を過ぎて確定申告を2年連続で行うと、税務署によって翌年の青色申告が取り消しされてしまいます。翌年の申告で不利益を被らないためにも、青色申告の人は3月15日までに提出するようにしましょう。

  1. 1月1日から1月15日までに開業を行った場合は、3月15日が期限となります。

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