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扶養控除とは?年収103万円まで?わかりやすく解説!

所得税や住民税の減税制度のひとつである扶養控除についてまとめてみました。家族がいる人はおさえておきたい制度です。

扶養控除とは?

国税庁のwebサイトには以下のように記載されています。

1 扶養控除の概要
納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

国税庁 No.1180 扶養控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm

簡単に言うと、控除対象扶養親族とは養っている家族を指します。

つまり、養っている家族がいるときに税金の優遇を受けるという制度です。

控除対象扶養親族とは?

その家族が「控除対象扶養親族」となるには以下の要件を全て満たさなければなりません。

  1. その親族の年齢が16歳以上であること
  2. 本人と生計を一にしている親族であること
  3. その親族の合計所得金額が38万円以下であること(給与収入103万円以下)
  4. 他の控除対象扶養親族になっていないこと1

分かりづらい言葉もあるので、ひとつずつ説明します。

1.その親族の年齢が16歳以上

扶養控除の対象になるのは16歳以上からです。小学生、中学生、園児、幼児の子どもには一切適用されません。

年齢は1月1日時点で判断します。平成30年の確定申告、年末調整なら平成15年1月1日までに生まれた人が16歳以上とみなされます。

以前は年齢制限はありませんでしたが、各市区町村の児童手当制度が創設されて、扶養控除の対象外となりました。

2.本人と生計を一にしている親族

「生計を一にしている」とは同居していることが絶対条件ではありません。一緒に住んでいなくても生活費を渡していている場合には、「生計を一にしている」と認められます。生計を一にしているかどうかはその年の12月31日で判断します。

また、税法で親族は「血族6親等、姻族3親等内」と定められています。子どもだけでなく、両親やおじおば、甥姪を養っているときも適用を受けられます。

詳しくこちらでまとめています。

3.その親族の合計所得金額が38万円以下

合計所得金額38万円以下は言いかえると、1年間の給与の収入が103万円以下ということです。

子どもがアルバイト収入が年間103万円を超えてしまうと、控除対象扶養親族ではなくなってしまい、結果として税金が増えてしまいます。

4.他の控除対象扶養親族になっていない

例えば、共働きの場合、子どもの扶養控除は夫婦どちらかにしか適用することができません。夫婦で年収が高い方に扶養控除を適用した方がより大きな減税を受けられます。

家族が死亡したときは亡くなった日で判定する

家族が死亡した年の扶養控除の判定は、その家族が亡くなった日で判定します。そのため、家族が死亡した年も要件を満たせば扶養控除の適用を受けることができます。

控除額の計算

控除額の一覧

対象となる親族の年齢によって控除額が4段階に分かれます。

対象者の年齢 所得税での控除額 住民税での控除額
19歳以上23歳未満  63万円 45万円
70歳以上※ 48万円 38万円
58万円 45万円
16歳以上19歳未満
23歳以上70歳未満
38万円 33万円

※70歳以上

70歳以上については、対象となる親族の状況によって控除額が2つに分かれます。

  • 本人や配偶者と同居している
  • 本人や配偶者の直系尊属(両親や祖父母)である

以上を両方とも満たしている場合には控除額は58万円(住民税は45万円)となり、どちらかでも満たしていなければ48万円(住民税は38万円)となります。

よくある例として、親と同居しているような場合には58万円となりますが、親と離れて住んでいたり、老人ホームに入居している場合には48万円となります。

扶養控除の適用を受ける方法

要件を満たしているだけでは減税を受けることはできません。年末調整や確定申告で手続きを行うことによって適用が受けられます。

年末調整で受ける

会社員の人は、10月11月ごろになると勤務先から年末調整の書類が配られ記入を求められます。その配られた書類のひとつ「扶養控除等申告書」に必要事項を記入して提出すると、会社の方で扶養控除の適用の手続きが行われます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

確定申告で受ける

翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

申告書にマイナンバーを記入する

確定申告書には扶養控除の対象となる家族のマイナンバーも記入しなければなりません。

本人のマイナンバー通知カードのコピーは税務署に提出しなければなりませんが、家族のマイナンバー通知カードのコピーは提出する必要はありません。

住民税も自動的に減税される

年末調整や確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、年末調整や確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税の扶養控除を受けたということになります。

  1. 本人が個人事業主などでその親族を白色事業専従者としていたり、青色事業専従者として給与の支払をしている場合には扶養控除の適用を受けることはできません。

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