電子申告の後に郵送で提出する書類について詳しくまとめました。
電子申告と郵送提出
送付書と「郵送等」の書類を提出する
電子申告で申告書と一緒に送信する送付書(送信票)を印刷して、送付書の中の区分が「郵送等」となっている書類を用意して提出します。
送付の方法についてはこちらのページでまとめています。
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電子申告の後に提出する送付書(送信票)と添付書類の提出の期限や方法、必要な書類とは?
主に所得税の確定申告をe-Taxで行った(電子申告)場合に提出が必要となる送付書についてまとめました。 送付書(送信票)とは? 書類の提出の ...
「提出省略」となる場合とは?
送付書の区分の中に「提出省略」という欄がありますが、電子申告を行った際には、社会保険料控除や生命保険料控除、寄附金控除などの書類の提出が不要になることがあります。
しかし、それは電子申告で「社会保険料等に係る控除証明書等の記載事項」「寄附金の受領証等の記載事項」などという帳票を申告書と一緒に送信した場合に限ります。
例外はあるものの基本的には書面での提出と電子申告は変わらない
このような電子申告だけの省略の制度はあるものの、基本的には電子申告できなかった書類を紙で提出するということになります。書面で提出する場合と電子申告で扱う書類が大きく変わることはありません。
源泉徴収票の提出は一切不要
平成31年4月1日から確定申告で源泉徴収票といった所得や収入を証明する書類の提出は電子申告でも不要となりました。これも電子申告と書面での提出どちらも同じ扱いです。
源泉徴収票に社会保険料や生命保険料などの記載がある場合には、申告書へ入力するだけで適用を受けられます。
提出が不要の主な書類は次のとおりです。
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
- 上場株式配当等の支払通知書
詳しくはこちらのページでまとめています。
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源泉徴収票は確定申告で提出する必要はなくなりました。
所得税の確定申告で源泉徴収票の扱いについてのルールが変わりました。詳しくまとめました。 確定申告と源泉徴収票 確定申告書に源泉徴収票の添付は ...
所得控除
社会保険料控除
国民年金と国民年金基金の支払いがある場合には、それらの控除証明書の原本を提出します1。
国民健康保険などといった国民年金と国民年金基金以外の社会保険料については証明書の提出は一切必要ありません。詳しくはこちらのページでまとめています。
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国民健康保険の証明書は年末調整や確定申告で提出する必要はありません。
年末調整や確定申告で社会保険料控除を受けるために提出する控除証明書は、社会保険料の種類によって提出しなくていいものもあります。添付書類につい ...
源泉徴収票から転記した社会保険料については、それが国民年金や国民年金基金だったとしても控除証明書の提出は必要ありません。
小規模企業共済等掛金控除
確定拠出年金や小規模企業共済の払込証明書の原本を提出します2。
例外的に、源泉徴収票から転記した掛金については、払込証明書の提出は必要ありません。
生命保険料控除
保険会社から送られてきた控除証明書(払込証明書)の原本を提出します3。
例外的に、源泉徴収票から転記した生命保険料については、控除証明書の提出は必要ありません。
生命保険料控除
保険会社から送られてきた控除証明書(払込証明書)の原本を提出します4。
例外的に、源泉徴収票から転記した地震保険料や旧長期損害保険料については、控除証明書の提出は必要ありません。
医療費控除
医療費控除の明細書
電子申告で送信をしなかった場合には、作成した書類の提出が必要となります。しかし、申告書と一緒に電子申告をすることがほとんどなので、基本的には提出の必要はありません。
医療費通知
医療費控除の明細書の「1医療費通知に関する事項」に金額を記入した場合には、自治体や健康保険組合から送られてきた医療費通知の原本を提出します。
社会保険料控除や生命保険料控除には省略の制度がありますが、医療費通知には省略が一切ありません5。紙で送られてきた医療費通知を使って電子申告を行った場合には必ず書類で提出する必要があります。
領収書
平成29年より医療費の集計で使った領収書の提出は一切必要なくなりました。提出の必要はなくなりましたが、各自で5年間保存する義務があります。
医療費として認められるための証明書
寝たきりの人のおむつ代や在宅療養の介護費用、白内障のための眼鏡の費用など、医師などから証明書を発行してもらうことによって適用できる医療費がある場合には証明書の原本を提出します6。
セルフメディケーションの医療費控除
セルフメディケーション税制の明細書
電子申告で送信をしなかった場合には、作成した書類の提出が必要となります。しかし、申告書と一緒に電子申告をすることがほとんどなので、基本的には提出の必要はありません。
一定の取組を行ったことを明らかにする書類
健康診断の結果通知書や予防接種の領収書の提出は必要ありません。セルフメディケーション税制の明細書に記載した証明書(領収書)の内容をもって省略できるとされています。
領収書
医療費控除同様に領収書の提出は必要なく、各自で5年間保存する義務があります。
寄附金控除(ふるさと納税)
寄附を行った自治体や法人、団体から送られてきた寄附金受領証明書の原本を提出します7。
雑損控除
災害関連支出の対象となる領収書や被害届受理証明書、り災証明書の原本を提出します8。
勤労学生控除
基本的には提出する必要はありません。
しかし、専修学校や職業訓練学校に通っていて、在学証明書の発行をもって勤労学生控除の適用を受ける場合には、その証明書の原本を提出します。
税額控除
住宅ローン控除
ローンを組んでいる金融機関から発行される住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の原本を提出します9。住宅ローン控除1年目の場合には、年末残高等証明書に加えて登記簿謄本や売買契約書(工事請負契約書)、その他証明書などの提出が必要となります。
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書を申告書と一緒に電子申告をしてない場合には、作成した計算明細書も一緒に提出します。
寄附金税額控除
寄附を行った自治体や法人、団体から送られてきた寄附金受領証明書の原本を提出します。
「~~寄附金特別控除額の計算明細書」を申告書と一緒に電子申告をしていない場合には、作成した計算明細書も一緒に提出します。
配当控除
特定口座年間取引報告書や配当等とみなされる金額の支払通知書の提出が一切不要になったので、提出が必要な書類はありません10。
送信していない明細書は全て提出する
申告書のための明細書や付表など電子申告で送信していない書類があれば書面で提出します。基本的に書面で確定申告する場合と電子申告で税務署に提出する書類は変わらないと考えてください。
電子申告を行った書類は控えをダウンロードすることによって確認することができます。
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電子申告をした申告書の控えの取得の方法とは?ダウンロードの仕方など
マイナンバーカードで電子申告した場合の申告書の控えの取得の方法についてまとめました。電子申告が完了したらデータを持っておくようにしましょう。 ...
- 社会保険料等に係る控除証明書等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 社会保険料等に係る控除証明書等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 社会保険料等に係る控除証明書等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 社会保険料等に係る控除証明書等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- まだほとんど利用している人はいませんが、自治体や健康保険組合からXMLデータで送られてきた医療費通知を使って電子申告を行った場合には、書面での提出はなくなります。 ↵
- 医療費に係る使用証明書等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 寄附金の受領証等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 雑損控除に係る領収証等の記載事項を作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 住宅ローン控除2年目以降については、住宅取得資金に係る借入金年末残高等証明書の記載事項の作成、送信することによって提出を省略できます。 ↵
- 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書がある場合には、作成した計算書を電子申告もしくは書面で提出します。 ↵