平成29年分の所得税の確定申告から、医療費控除の適用を受けるとき、医療費のお知らせ(医療費通知)で金額を集計することも認められるようになりました。
保険診療の医療費については領収書と医療費のお知らせどちらかを選択して使うことができます。
医療費のお知らせについて
医療費のお知らせとは?
医療費のお知らせ(医療費通知)とは、健康保険組合から送られている病院にかかった以下の情報が記載されている書類です。
- 受診の年月
- 受診者の氏名
- 医療機関名
- 負担した医療費の金額
健康保険組合によって、はがきで送られたり、封筒で送られたりします。
申告書と一緒に提出する必要がある書類となります。
送付される頻度
送付の頻度は年に6回、2回、1回と健康保険組合によって異なってきます。確定申告では1月から12月までの1年間に支払った医療費が対象になります。用意する医療費のお知らせが何枚になるのか確認をしましょう。
医療費控除の制度や申告書の書き方については以下のページでまとめています。
医療費のお知らせはいつ送られてくるのか?
協会けんぽ(主に中小企業の会社員)
平成29年11月から平成30年9月までの医療費のお知らせが平成31年の1月2月に送られてきます。平成30年10月から12月までの医療費のお知らせについては、さらに1年後に送られてくるようです。
協会けんぽのwebサイトで案内されています。
医療費のお知らせについて(全国健康保険協会)
国民健康保険(主に個人事業主)
市区町村によって異なりますが、2ヶ月毎に医療費のお知らせを送付するところが多いです。11月12月分の医療費のお知らせについては、4月に送付する市区町村が多いそうです。
詳しくは各市区町村に問い合わせましょう。
組合健保(主に大企業の会社員)
企業ごとに医療費のお知らせの取扱が大きく違ってきます。
共済組合(主に公務員)
各共済組合ごとに医療費のお知らせの取扱が大きく違ってきます。
3/15までに送付できない
様々な健康保険組合、市区町村のwebサイトを確認しましたが、11月12月分の医療費のお知らせには、3月下旬、4月以降の送付になるところが多いようです。
保険の処理の関係上、どうしても数ヶ月遅れてしまうそうです。
間に合わない場合はどうしたらいいのか?
医療費のお知らせ(医療費通知)が確定申告期限の3月15日までに間に合わない場合どうしたらいいのでしょうか。
医療費の領収書で計算する
従来どおり、領収書で医療費を計算しても問題ありません。平成29年の申告より、領収書については税務署に提出する必要はなくなりました。
また、医療費のお知らせが届いていない月だけを領収書で補うという方法も認められています。この場合、医療費のお知らせと領収書で二重計上しないように注意しましょう。
医療費のお知らせを使う
3月15日以降に送付される医療費のお知らせを使う場合には、申告の内容に提出の仕方が変わってきます。
会社員、年金受給者で還付申告の人
確定申告をすることによって所得税が戻ってくる申告を還付申告と言います。この還付申告に該当する会社員や年金受給者の、申告書の提出期限は5年間もあります。
医療費のお知らせが手元に届いてからゆっくり確定申告をしても問題なく所得税の還付が行われます。申告が住民税や国民健康保険料の徴収が始まってからであっても、申告書のデータで再計算されるので、多く納めている分の住民税や国民健康保険料も還付されます。
申告が遅いからといって不利益を被ることはありません。
確定申告で納税になる人、または青色申告の人
次に該当する人は、申告書を3月15日までに提出しないと、延滞税や無申告加算税がかかったり、青色申告特別控除が減額されたり、青色申告が取り消しになったりしてしまいます。
- 確定申告で納税になる人
- 青色申告事業者の人
この場合には、2回申告する必要があります。1回目は3月15日までに通常の確定申告を行います。医療費のお知らせが届いたら、1回目に行った申告書を用いて2回目の申告「更正の請求」をします。
更生の請求とは、一度行なった申告書の訂正を行い還付をを求める手続きです。「更正の請求書」という専用の用紙と医療費のお知らせを提出して請求します。
参考までにふるさと納税で更正の請求をしたときのページはこちらです。
わからないことがあれば、申告書を提出した所轄の税務署に相談しましょう。
税務署の所在地(国税庁webサイト)