所得税が還付される確定申告の期限などについてまとめてみました。会社員や年金受給者の人などが多く関わる申告です。
還付申告とは?
所得税が返ってくる申告
還付申告とは、確定申告をすることにより多く納めてしまっている所得税が還付される申告のことを指します。
よくある還付申告はこのようなものがあります。
会社員、サラリーマン
- 年末調整後に医療費控除の適用の申告をする
- 年末調整後に寄付金控除(ふるさと納税)の適用の申告をする
- 年末調整後に住宅借入金等特別控除の適用の申告をする
- その他、年末調整で適用できない控除の申告をする
- 年末調整に誤りがあり税金を納めすぎていて、確定申告で正しい申告をする
- 年末調整で申告し忘れた社会保険、生命保険、地震保険の申告をする
パート、アルバイト
- 掛け持ちで働いている主婦やフリーターが申告をする
- 掛け持ちで働いている学生が勤労学生控除の適用の申告をする
年金受給者
- 年金受給者が生命保険料控除の適用の申告をする
- 年金受給者が医療費控除の適用の申告をする
- 複数のところから年金を受け取っていて確定申告をする
医療費控除などの制度の適用を受けるとき還付申告になることが多いですが、減税制度の適用を受けなくても所得税が還付されるのであれば還付申告です。
申告書で確認する
確定申告書を完成させている場合、還付申告かどうかは申告書第一表で確認することができます。
申告書第一表は2種類ありますが、申告書Aでは㊵の欄、申告書Bでは㊽の欄に金額が記載されていれば、還付申告となります。
納税になるときは、計算した金額の100円未満が切捨てになります。一方、還付のときは、切捨ては行われず1円単位で処理が行われます。
住民税も減らされる
- 医療費控除
- 寄付金控除(ふるさと納税)
- 生命保険料控除
- 勤労学生控除
このような所得税の減税制度は住民税のと共通しているものも多くあります。還付申告をすれば所得税が返ってくるだけでなく、翌年6月からかかる住民税の減税もすることができます。
還付申告の期限
期限は5年間もある
還付申告の対象期間は翌年1月1日から5年間です。例えば、平成25年分の所得税の還付申告なら平成30年12月31日が期限となります。
通常の確定申告は2月16日からになりますが、還付申告は年明けから行うことができます。
各年分の期限についてはこちらのページで計算機を用意しています。
勘違いしている人が多い
確定申告は翌年の2月16日から3月15日までに行うものであると思っている人がかなり多いですが、この期間内に行なわなければならないのは、納付になる申告や事業や不動産の青色申告などです。
時期をずらして申告ができる
期限は5年も先まであり、2月3月は税務署が非常に混み合うので、無理にその時期に確定申告をする必要はありません。税務署が空いている夏ごろでも問題なく申告を行うことができます。
住民税や国民健康保険も還付される
翌年の4月ごろまでに確定申告をしていなければ、住民税や国民健康保険料などは源泉徴収票のデータから計算されます。
住民税や国民健康保険料の徴収が始まってから、終わってからであっても、還付申告を行えばその申告書のデータで再計算されます。住民税や国民健康保険料もまた多く納めている分は還付されます。
通常より申告が遅いからといって損することはありません。
さかのぼって申告できる
源泉徴収票などの資料が保管されていれば、さかのぼって申告を行うことができます。
控除を受けるには社会保険料や生命保険料、地震保険料、寄付金など証明書が必要ですが、紛失してしまっている場合には、証明書の発行を受けたところに問い合わせれば再発行してもらえます。
節税を考えている人は過去の税金から見直しましょう。
還付金の受け取る方法
指定した預金の口座で受け取る
基本的に還付金は金融機関の口座への入金で受け取ります。還付申告の場合には、申告書第一表の金融機関の口座の記入を忘れないようにしましょう。
銀行などの金融機関
ゆうちょ銀行
必ず本人の名義の口座を記入しなければなりません。納税者と口座の名義人が一致していないと振り込まれません。結婚などで苗字が変わっていても振り込まれません。
通常、申告書を提出してから1か月から2か月程度で自動的に入金が行われます。入金と同時に「国税還付金振込通知書」というものが送られてきて、それでも還付を確認をすることができます。
ネット銀行で還付
どの金融機関でも受け取ることはできますが、一部のネット銀行では受け取ることができません。詳しくはこちらのページでまとめています。
現金でも受け取れる
還付金は現金でも受け取ることができますが、受け取る際には事務手続きがあります。そのため、自動的に入金される預金口座で還付をおすすめしています。詳しくはこちらでまとめています。
3月15日までに提出しなければならない還付申告
還付申告の中でも翌年の3月15日までに提出しなければならない確定申告が一部あります。
住宅ローン控除を住民税から差し引くとき
通常、住宅ローン控除は所得税だけとなりますが、所得税から引ききれない控除額があるとき、その分を住民税から差し引くことができます。
提出が遅れてしまうと、所得税から控除することはできますが、住民税から差し引くことができなくなってしまいます。
申告書の提出期限は3月15日までではありません。詳しくはこちらでまとめています。
青色申告事業者
以下のような場合、青色申告でも所得税が還付されることがあります。
- 確定所得税額が予定納付額を下回った
- 青色申告事業者でありながら、給与所得者でもある
- 源泉徴収の対象の青色申告事業者である
青色申告事業者の提出期限が3月15日までと決められており、3月15日を過ぎてしまうと青色申告の特典を受けられなくなります。青色申告事業者は還付に関係なく3月15日までに提出しなければなりません。