個人事業の開業届の書き方についてまとめてみました。記入例も用意しています。
記入する前に
用意するもの、必要書類
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 印鑑(認め印で構いません。)
- マイナンバー通知カードのコピー
- 身分証明書のコピー
個人事業の開業・廃業等届出書
開業届の様式は廃業届と一緒になっているため、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。
PDF形式で国税庁のwebサイトにアップロードされています。印刷して手書きで作成することも可能ですが、直接PDFに入力することも可能です。
個人事業の開業届出書(国税庁webサイト)
また、書類は税務署で受け取ることもできます。
納税地を決める
納税地を自宅や事務所、店舗のいずれかから選びます。賃貸マンションの自宅やバーチャルオフィスでも構いません。
税務署からの書類は納税地に届きます。また、所轄の税務署も納税地から決まりますので、税務署で書類をもらったり、質問をしたいと考えている人はアクセスしやすい税務署の納税地を選ぶといいと思います。
税務署の所在地(国税庁webサイト)
納税地や所轄の税務署で税金の額が変わるということはありません。
控えの作成
届出書の控えも一緒に提出すると、税務署から収受日付印が押されて返ってきます。
控えは次のときに必要になります。
- 確定申告書を作成するとき
- 屋号がある事業用の預金口座を作成するとき
- 金融機関から融資を受けるとき
必ず届出書の控えは用意するようにしましょう。控えは原本をコピーして印鑑を押せば簡単に作成できます。
開業届の書き方
5つのブロックに分けて説明します。
税務署
納税地を管轄する税務署を記入します。
税務署の所在地(国税庁webサイト)
日付は空欄で構いません。
個人情報
本人の個人情報を記入して押印をします。
上記以外の住所地・事業所等
自宅を納税地にした人は、店舗や事務所の住所を、店舗や事務所を納税地にした人は自宅の住所を記入します。
店舗や事務所がない人は空欄で構いません。
職業
営んでいる具体的な業種を記入します。
特に決まりはありませんが、個人事業税で関わってくるところになりますので、個人事業税の法定業種から記入するようにしましょう。
該当する業種がないときは、総務省の日本標準職業分類を参考にしましょう。
日本標準職業分類(総務省webサイト)
屋号
屋号とは、店舗や事務所の名称です。屋号がない人は空欄にします。
開業の情報
開業に丸を入れ、所得の種類には「事業」にチェックを入れます1。
「開業・廃業等日」には開業した日を記入します。
開業日について
店舗や事務所を構えている人は、お店のオープン日となりますが、自宅などで仕事をしている人は曖昧になると思います。
特に明確な基準はないため、売上が発生した後の日付でなければ、届出書を提出した日やそれ以降の日付でも構いません。
その他
開業届と一緒に提出する書類があるときは「有」にチェックを入れます。ほとんどの場合は「青色申告承認申請書」に「有」に、「課税事業者選択届出書」には「無」にチェックが入ります。
事業の概要の書き方には特に決まりはないので、具体的に分かりやすく記入します。
従業員を雇っていない人はこれで記入は以上になります。
給与(一部の人)
この欄は、開業と同時に家族やパート、アルバイトを雇う人だけが記入します。ひとりで事業を営む人は空欄にします。
届出書の提出時点の従業員の給与について記入します。
専従者と使用人
家族を雇うときは専従者となり、それ以外のパート・アルバイト、従業員は使用人になります。
家族を雇うときには「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出も一緒に必要になります。
給与の定め方
月給、日給など給与の支払い方を記入します。
税額の有無
ひとりの月給で88,000円を超えるときは、税額「有」になり、それ以下のときは税額「無」になります。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を一緒に提出するときには「有」にチェックを入れます。
給与支払いを開始する年月日
初めての給与支給日を記入します。
提出の方法
どちらかを選ぶ
- 郵送による提出
- 直接窓口で提出
2種類のどちらかの方法で開業届に記入した税務署に提出します。
郵送による提出の方法はこちらのページでまとめています。
マイナンバー書類も一緒に提出する
開業届は本人確認書類としてマイナンバー通知カードと身分証明書2の提示が必要になります3。
開業届を窓口で提出する場合は、マイナンバー通知カードと身分証明書を持参して、税務署の職員の人にその場で提示します。一方、郵送による提出の場合は、マイナンバー通知カードと身分証明書のコピーを開業届と一緒に添付して送らなければなりません。