扶養親族の中のひとつである特定扶養親族についてまとめてみました。
特定扶養親族とは?
主に大学生の子どもが対象になる
年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族を特定扶養親族と言います。所得税や住民税の扶養控除の対象となります。
主に大学生の子どもが該当します。年齢が19歳以上23歳未満とは、平成30年の年末調整や確定申告では、平成8年1月2日から平成12年1月1日までに生まれた人が該当します。
確定申告や年末調整の年分 | 特定扶養親族の対象となる生年月日 |
平成29年 | 平成7年1月2日~平成11年1月1日 |
平成30年 | 平成8年1月2日~平成12年1月1日 |
平成31年(令和元年) | 平成9年1月2日~平成13年1月1日 |
現役の大学1年の早生まれの人は特定扶養親族になりません。
扶養親族について
簡単に言うと、扶養親族とは養っている家族のことです。
- 本人と生計を一にしている親族であること
- その親族の合計所得金額が38万円以下であること(アルバイト収入103万円以下)
- 他の扶養親族になっていないこと1
以上を全て満たさなければなりません。
分かりづらい言葉もあるので、ひとつずつ説明します。
1.本人と生計を一にしている親族
「生計を一にしている」とは同居していることが絶対条件ではありません。親元を離れている大学生の子どもであっても、学費の支払いや生活費の送金、仕送りを親から受けているときは「生計を一にしている」に該当します。
自分の子どもでなくても、親族の範囲に該当すれば対象となります。詳しくこちらのページでまとめています。
2.その親族の合計所得金額が38万円以下
合計所得金額38万円以下は言いかえると、年間の給与収入が103万円以下ということです。
子どものアルバイト収入が103万円を超えてしまうと、一切適用できなくなります。
3.他の扶養親族になっていないこと
複数の人が同じ人を扶養控除の対象とすることはできません。
夫婦で共働きの場合、子どもを扶養控除の対象にできるのは夫か妻どちらかになります。
控除額
控除額の一覧
特定扶養親族の控除額は扶養親族よりも大きくなっています。
区分 | 所得税での控除額 | 住民税での控除額 |
特定扶養親族 | 63万円 | 45万円 |
扶養親族2 | 38万円 | 33万円 |
子どもが特定扶養親族となれば、所得税や住民税で大きな減税が行われます。
大学生のアルバイトは103万円におさえよう
大学生の子どものアルバイト収入が103万円を超えてしまうと扶養を外れてしまい、特定扶養親族の控除額も普通の扶養親族の控除額も一切受けられなくなります。
特定扶養親族の控除を受けられないと、給与収入600万円の人でも10万円ほどの税金を余計に納めることになり、子どもの収入が上がっても家族全体で考えたとき損しているということも考えられます。
扶養控除の適用を受ける方法
要件を満たしているだけでは減税を受けることはできません。年末調整や確定申告で手続きを行うことによって適用が受けられます。
年末調整で受ける
会社員の人は、10月11月ごろになると勤務先から年末調整の書類が配られ記入を求められます。その配られた書類のひとつ「扶養控除等申告書」に必要事項を記入して提出すると、会社の方で扶養控除の適用の手続きが行われます。
書類の書き方についてはこちらでまとめています。
確定申告で受ける
翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。
書類の書き方についてはこちらでまとめています。
申告書にマイナンバーを記入する
確定申告書には扶養控除の対象となる家族のマイナンバーも記入しなければなりません。
本人のマイナンバー通知カードのコピーは税務署に提出しなければなりませんが、家族のマイナンバー通知カードのコピーは提出する必要はありません。
住民税も自動的に減税される
年末調整や確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、年末調整や確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税の扶養控除を受けたということになります。