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医療費控除の対象になる歯医者の治療代とは?

医療費控除の対象になる範囲はとても広く、病院の診療代や薬代だけでなく歯医者にかかった費用も対象になります。医療費控除の対象になる歯科医師への治療代についてまとめてみました。

高額な治療費も医療費控除の対象になることがあります。

対象になる歯科治療

国税庁のwebサイトには以下のように記載されています。

No.1122 医療費控除の対象となる医療費
1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価

出典 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm

つまり、歯医者にかかった費用も医療費控除の対象になりますが、それが治療に当たるかどうかが重要になります。

細かく分けて説明します。

保険診療

健康保険適用の対象となる歯医者の診療は全て医療費控除の対象となります。

  • 虫歯、歯周病、歯槽膿漏の治療
  • 歯石の除去
  • 親知らずの抜歯
  • プラスチックや銀の詰め物、被せ物
  • 神経の除去
  • 入れ歯(義歯やブリッジ、差し歯)
  • 処方された薬代(痛み止めなど)

そもそも健康保険適用の対象となるのは治療にかかる費用になるため、全て医療費控除の対象となります。

保険外診療、自費診療

健康保険適用の対象外となる歯医者の診療(自費診療)は、治療以外にも予防目的や審美目的のもあるため、医療費控除の対象にならない費用もあります。

子どもの歯科矯正

子どもの歯科矯正は発育段階にある子どもの成長を阻害しないために必要な治療と考えられているため、医療費控除の対象になります。

大人の歯科矯正

一方、大人の歯科矯正は審美目的とみなされるため医療費控除の対象にはなりません。
 icon-chevron-circle-right 歯列を矯正するための費用(国税庁webサイト)

ただし、歯科医師の判断で治療のために必要な歯科矯正だと判断されれば医療費控除の対象になります。この場合は、医師の診断書を発行してもらいましょう。

定期検診

虫歯予防やクリーニングのために数か月に一回ほど定期的に通っている人も多いです。自費診療の定期検診は予防であり歯の治療ではないため、医療費控除の対象になりません。

ただし、定期検診であっても、そこで問題が見つかり保険診療で治療が行われた場合は医療費控除の対象になります。

金歯や金冠、セラミック

詰め物や差し歯、入れ歯を金歯や金冠、セラミックにした場合、自費診療となってしまいます。しかし、これらの費用は医療費控除の対象にはなります。

医療費控除の要件として「一般的な金額の水準を超えないこと」とあります。自由診療の金歯や金冠、セラミックは通常の銀歯と比べかなり高額になりますが、国税庁では一般的な治療費とみなしています。
 icon-chevron-circle-right 金やポーセレンを使用した歯の治療費(国税庁webサイト)

芸能人が行っているような関係ない歯までもセラミックにしてしまう治療は対象にはなりません。

インプラント治療

インプラント治療も自費診療になってしまいますが、医療費控除の対象にはなります。

人工の歯根をあごの骨に埋め込むので、普通の入れ歯と比べ非常に高額になりますが、国税庁では一般的な治療費とみなしています。

ホワイトニング

虫歯予防や審美目的のための自費診療のホワイトニングは医療費控除の対象になりません。

ただし、歯周病治療の一環のホワイトニングなど保険料診療になるものは医療費控除の対象になります。

フッ素塗布

虫歯予防の処置として最近広まってきていますが、これも治療のためのものではないため、医療費控除の対象にはなりません。

付随でかかる費用について

交通費

歯医者の通院にかかる往復の交通費も対象になりますが、基本的には電車代バス代に限ります。タクシー代1や自家用車のガソリン代、駐車場代は対象にはなりません。

子どもを付き添ったときの親の交通費は対象になります。

詳しくはこちらのページでまとめています。

歯ブラシ、歯磨き粉、洗口液

虫歯や歯周病の予防のための道具になるため、歯医者で購入したものであっても医療費控除の対象にはなりません。

医療ローンやクレジットカードを利用したとき

高額な治療費のときはローンを組んだり、クレジットカードを利用して支払いをすることがあります。

医療費の計上時期

基本的には1年間のうちに支払った医療費だけが対象になるので、未払い分は翌年以降の対象となります。

ただし、医療ローンやクレジットカードを利用したときは、その完済日ではなく病院に対して医療費を支払った日で判断します。つまり、ローンの契約日やカードを利用した日で判断するということです。

手数料や利息は対象にならない

医療ローンを組んだときの手数料や利息は医療費控除の対象にはなりません。治療代だけが対象になります。

医療費控除の書き方

翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表、医療費控除の明細書に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

会社員の人の確定申告の書き方は別にページを設けています。

  1. タクシーを使わなければならない事情があれば対象になります。

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