年末調整の書類を提出した後に誤りや間違いがあったことに気づいたとき、それを訂正や修正をするにはどうすればいいのかまとめてみました。
書類の訂正の方法についてはこちらのページでまとめています。
年末調整の誤りや間違い
年末調整のために本人が記入した書類に不備や記入漏れがあったりすると間違いが起きてしまいます。「訂正すると税金が増える間違い」と「訂正すると税金が減る間違い」に分かれます。
訂正すると税金が増える間違い
- 扶養に入れていた子どものアルバイト収入が103万円を超えてしまった。
- 書類に配偶者のパート収入を150万円以下と記入していたが、実際には150万円を超えてしまった。
- 年末調整後に渡された源泉徴収票を確認したら会社の処理にミスがあった。
必ず訂正しなければならない
誤った申告をして本来納めるべき税金が減ってしまっていることになるので、正しい申告をするためには必ず訂正しなければなりません。
訂正をしないと会社に是正の通知が来る
訂正を行わなかった場合、忘れた頃に役所や税務署から是正の通知が会社に届いてしまいます。結局は是正分の税金を納めなくてはならず、場合によっては延滞税などのペナルティもかかってしまうことがあります。
是正の通知は必ず本人ではなく会社に届いてしまい、どんな誤りか会社にも分かってしまいます。
訂正すると税金が減る間違い
- 生命保険料や地震保険料の記入と証明書の提出を忘れていた。
- IDeCoの記入と証明書の提出を忘れていた。
- 家族の国民年金や介護保険料、後期高齢者医療保険料の記入と証明書の提出を忘れていた。
- 寡婦控除や障害者控除の適用を忘れていた。
- 年末調整後に渡された源泉徴収票を確認したら会社の処理にミスがあった。
訂正しなくていいが税金を損してしまう
主に控除の入れ忘れが多いですが、この場合、無理に訂正をする必要はありません。しかし、控除できた分の所得税や住民税を余計に納めなくてはならないので、可能なら訂正することをおすすめします。
訂正や修正する方法
気づいたらすぐに会社に報告する
誤りや間違いに気づいたらすぐに会社に報告しましょう。会社が対応できる時期であればその場で訂正や年末調整のやり直しを行ってもらえます。
年末調整の書類は国税庁のwebサイトから印刷することができます。
扶養控除等(異動)申告書(平成30年)
保険料控除申告書
配偶者控除等申告書
確定申告をする
報告が遅くなってしまったり、誤りの内容によっては会社で訂正ややり直しを受け付けてもらえないことがあります。この場合には確定申告をすることによって訂正を行うことができます。
年末調整でできることは全て確定申告でできるので、どんな誤りや間違いでも確定申告で訂正ができます。上で挙げた「訂正すると税金が増える間違い」と「訂正すると税金が減る間違い」に分けて説明します。
訂正すると税金が増える間違い
2月16日から3月15日1までに申告書の提出や訂正分の納税を行います。基本的に確定申告をしたことが会社にバレることはありません2。
3月15日を過ぎて確定申告をすると、延滞税や無申告加算税の計算の対象になってしまいます。しかし、延滞税や無申告加算税は日数と税額から計算されるので、期限後すぐに申告すればかからないことがほとんどです。
詳しくはこちらでまとめています。
訂正すると税金が減る間違い
1月1日からその5年後までに申告書の提出を行うと訂正分の税金が還付されます。
確定申告は3月15日までと思っている人が多いですが、税金が返ってくる申告(還付申告)はそうではありません。5年間も申告の期間が設けられています。過去の年末調整で「訂正すると税金が減る間違い」がある場合もさかのぼって申告を行うことができます。
所轄の税務署と申告で必要なもの
その人の住むところによって、申告書を提出する税務署は決まります。所轄の税務署はこちらから確認することができます。
税務署を調べる(国税庁webサイト)
- ボールペン
- 電卓
- 源泉徴収票
- 印鑑(認め印で構いません)
- 本人の身分証明書(運転免許証など)
- 本人のマイナンバーの通知カード3
- (家族のマイナンバー)4
- (保険料の控除証明書と還付先の金融機関の口座番号)5
自宅で確定申告書を作成して郵送で申告することも可能ですが、どうすればいいのか何もわからない場合は、以上のものを持って所轄の税務署に行けば申告書の作成や提出を行うことができます。しかし、2月3月の税務署は非常に混み合うので注意してください。
申告書は国税庁のwebサイトから印刷することも可能ですが、税務署で受け取ることができます。