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所得税 住民税

所得税と住民税の違いとは?

似ている税金として所得税と住民税が挙げられます。その人の所得から計算される点など共通する部分は多くありますが、異なってくるところもあります。このページでは所得税と住民税の違いについてまとめていきたいと思います。

細かいところまで突き詰めるとキリがないので、代表的な点を挙げていきたいと思います。

税金の納付先

まずはじめに税金の納付先というところで大きな違いがあります。

所得税は国に対して納める税金です。確定申告書を提出や納税を税務署に行いますが、税務署は国の行政機関です。

一方、住民税は住んでいる市区町村や都道府県に対して納める税金です。決定通知書や納付書は市区町村の役所や役場などから送られてきます。納税は市区町村へ行い、市区町村は都道府県民税部分を都道府県に払い込んでいます。

所得税 住民税
国税 地方税

税金の計算の対象となる期間

所得税は平成30年の確定申告や年末調整は当年の平成30年に発生した所得などから計算を行います。

一方、平成30年にかかる住民税の計算は前年の平成29年に発生した所得などから計算を行います。そのため、新社会人は2年目から住民税が発生したり、稼ぎが大きく減っても住民税の負担は変わらないということが起きるのです。

所得税 住民税
現年所得課税 前年所得課税

※住民税の中でも利子割や配当割、退職所得にかかる所得割などは現年所得課税です。

税金の計算を行う人

確定申告は自分が1年間の所得や控除額を自分で計算して所得税の計算を行います。年末調整は会社が所得税の計算を行いますが、納税者側が計算をして納付する税金です。これを申告納税といい、所得税以外にも相続税や贈与税、法人税などもこれに該当します。

一方、住民税は所得税の確定申告書や源泉徴収票(給与支払報告書)などの資料から役所が税金の計算をして、通知を行っています。これを賦課課税方式といい、住民税以外にも固定資産税や自動車税などもこれに該当します。申告納税方式に対し、賦課課税方式は受動的な税金となります。

所得税 住民税
申告納税方式 賦課課税方式

税金の納付時期

所得税は給与の源泉徴収や予定納税などで予め納付を行います。確定申告や年末調整で税金が確定したときに、既に納付した金額の差額を求め、還付や納付の精算を行います。

一方、住民税は予め納付を行うということはしません。住民税の決定通知書が送られてきてから始めて納付を行います。

所得税 住民税
決定する前にも納める 決定してから納める

※年金受給者の住民税は一部前納付があります。

所得控除額

所得控除とは税金の計算のもとになる所得から差し引き、税金を減税する制度です。所得税と住民税どちらにも所得控除はあり、物的控除と人的控除に分かれます。

物的控除

物的控除とは1年間で特定の支出や負担があったときに適用を受けられる制度です。

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除は所得税と住民税ともに同額の控除を受けられます。

一方、生命保険料控除と地震保険料控除は所得税と住民税で計算方法が少し異なるので、控除額に差が生じることが多くあります。

  所得税 住民税
雑損控除 損失額-保険金など=純損失額
A 純損失額 -(総所得金額等 ✕ 5%)
B 災害関連支出 - 5万円
AとBのいずれか多い金額
医療費控除 総所得金額等✕5%と10万円のいずれか少ない金額をAとする
医療費 - 保険金など - A(最高200万円)
医療費控除の特例
(セルフメディケーション)
購入費-保険金など-12,000円 (最高88,000円)
社会保険料控除 支払金額
小規模企業共済等掛金控除 支払金額
生命保険料控除 最高12万円 最高7万円
詳しい計算方法はこちら
地震保険料控除 最高5万円 最高2.5万円
詳しい計算方法はこちら
寄付金控除 寄付金 - 2,000円
総所得金額等✕40%が限度額となる
税額控除

寄付金控除は特殊である

寄付金控除は所得税で受けられたからといって必ず住民税で控除できるわけではありません。寄付金の種類によって、両方控除できるもの、所得税しか控除できないもの、住民税しか控除できないものに分かれます。ちなみにふるさと納税は両方控除できる寄付金です。

また、住民税は寄付金の所得控除はなく、税額控除のみとなります。

人的控除

人的控除とは本人やその生計を一にする親族、配偶者の状況によって適用を受けられる制度です。所得税と住民税で人的控除の種類は全て同じですが、配偶者特別控除の一部を除いて全ての控除額が異なっています。

区分 住民税(平成30年) 所得税(平成29年)
基礎控除 330,000円 380,000円
扶養控除 一般 330,000円 380,000円
特定 450,000円 630,000円
老人 380,000円 480,000円
同居老親 450,000円 580,000円
配偶者控除 一般 330,000円 380,000円
老人 380,000円 480,000円
障害者控除 普通 260,000円 270,000円
特別 300,000円 400,000円
同居特別 530,000円 750,000円
寡婦控除 一般 260,000円 270,000円
特別 300,000円 350,000円
寡夫控除 260,000円 270,000円
勤労学生控除 260,000円 270,000円
配偶者特別控除 38万円超 40万円未満 330,000円 380,000円
40万円以上45万円未満 330,000円 360,000円
45万円以上50万円未満 310,000円 310,000円
50万円以上55万円未満 260,000円 260,000円
55万円以上60万円未満 210,000円 210,000円
60万円以上65万円未満 160,000円 160,000円
65万円以上70万円未満 110,000円 110,000円
70万円以上75万円未満 60,000円 60,000円
75万円以上76万円未満 30,000円 30,000円

課税所得金額も異なる

このように所得控除額が所得税と住民税で異なるので、税金の計算のもとになる課税所得金額も変わってきます。

住民税の方が控除額が小さいので、税負担は大きくなります。その負担を軽減するために住民税には調整控除という制度が設けられています。

税率

所得税の税率は5%から45%の間で設定されています。所得が高いほどより高い税率となっています。

一方、住民税の税率は所得の大きさに関係なく、市区町村民税と都道府県民税合わせて一律10%です。

所得が少ない人は住民税より所得税の方が金額が小さくなる傾向があり、所得が高い人は所得税の方が圧倒的に金額が大きくなります。

所得税 住民税
累進課税
5~45%
比例課税
10%

※一部の所得の所得税は比例課税となります。

※一部の所得の住民税の税率は10%ではありません。

 

給与所得者の申告

確定申告をしていない会社員の人は、給与所得以外の所得が20万円以下までなら確定申告は不要とされています。しかし、住民税は給与所得以外の所得があるときには金額に関係なく申告を行わなければなりません。

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