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社会保険料控除とは?計算方法などについて分かりやすく解説!上限はあるのか?

所得税や住民税の減税制度のひとつである社会保険料控除についてまとめてみました。ほぼ全ての人が適用を受ける制度になります。



社会保険料控除とは?

社会保険料の支払いがあったときに適用できる

国税庁のwebサイトには以下のように記載されています。

1 社会保険料控除の概要
納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。

出典 国税庁 No.1130 社会保険料控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm 

簡単に言うと、社会保険料の支払いがあったときに所得税や住民税の優遇を受けるという制度です。平成30年に支払った社会保険料には平成30年にかかる税金だけが対象となります。

対象となる社会保険料

  • 健康保険
  • 年金
  • 雇用保険

社会保険は大きくこの3つの種類に分かれますが、全て社会保険料控除の対象となります。代表的な社会保険料は以下のとおりです。

区分 対象となる社会保険料
健康保険 健康保険、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険、船員保険など
年金 国民年金、国民年金基金、厚生年金、厚生年金基金、農業者年金、公務員共済掛金など
雇用保険 雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)など

一般的に社会保険と呼ばれているものは全て対象となります1

家族の社会保険料も対象になる

本人だけでなく生計を一にしている配偶者、親族にかかる社会保険料も控除の対象となります。

  • 生計を一にしている両親の介護保険料、後期高齢者医療保険料
  • 大学生の子どもの国民年金

以上のような場合、保険料の支払いを本人が行っていれば適用を受けることができます。見落としていることが多いので、家族の分の社会保険料を見つけたりすると思わぬ節税につながったりします。

高齢者の社会保険について詳しくこちらでまとめています。

控除額の計算方法

支払った金額がそのまま控除額となる

1月1日から12月31日までに支払った社会保険料の合計額がそのまま控除額となります。国民年金などは1年間の支払いが記載されている証明書が発行されます。

限度額はない

生命保険料控除や地震保険料控除のように設定されている限度額が社会保険料控除にはありません。多い人は社会保険料控除額が200万円や300万円以上になることもあります。

控除証明書が発行されない社会保険もある

国民年金や国民年金基金には控除証明書は必ず発行されますが、それ以外の社会保険料に関しては証明書が発行されないことも多くあります。その場合は、通帳や納付書などで支払った金額を自分で計算しなければなりません。

滞納分の保険料は支払った年の控除の対象になる

控除額を計算する上で滞納していたかどうかは関係なく、その社会保険料をいつ支払ったかで判断します。

例えば平成29年と30年の国民健康保険を滞納していて、平成31年に一括でまとめて支払った場合、その支払金額は全て平成31年の社会保険料控除で適用されます。

前納した保険料は支払った年の控除の対象となる

前納した保険料は期間が1年以内のものであれば、支払った年の税金の控除の対象になります。

ただし、国民年金の2年前納については以下のどちらかを選択することができます。

  • 支払った年に全額控除する
  • 各年分の保険料に相当する額を3年に分けて控除する

住民税も同じ

住民税の社会保険料控除も支払った金額の合計がそのまま控除額となります。つまり、所得税と住民税の控除額は同じになります。

社会保険料控除の適用を受ける方法

ただ支払いをしているだけでは減税を受けることはできません。年末調整や確定申告で手続きを行うことによって適用が受けられます。

年末調整で受ける

会社員の人は、10月11月ごろになると勤務先から年末調整の書類が配られ記入を求められます。その配られた書類のひとつ「保険料控除申告書」に必要事項を記入して提出すると、会社の方で社会保険料控除の適用の手続きが行われます。

ただし、給与から天引きされている社会保険料は「保険料控除申告書」に記入しなくても自動的に適用されます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

国民年金だけは控除証明書が必要になる

社会保険料の中でも国民年金や国民年金基金だけは年金事務所から送られてくる控除証明書の原本を年末調整の書類と一緒に勤務先へ提出しなければなりません。詳しくはこちらのページでまとめています。

確定申告で受ける

翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。控除証明書に記載されている申告書第一表と第二表に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。

書類の書き方についてはこちらでまとめています。

国民年金だけは控除証明書が必要になる

年末調整と同様に、社会保険料の中でも国民年金や国民年金基金だけは年金事務所から送られてくる控除証明書の原本を申告書と一緒に税務署へ提出しなければなりません2

住民税も自動的に減税される

年末調整や確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、年末調整や確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税の地震保険料控除を受けたということになります。

  1. 表に挙げた社会保険以外にも、
    ・税務署長の承認を受けた地方公共団体職員の一定の互助会の掛金
    ・私立学校職員共済組合の掛金
    ・租税条約の規定により相手国の社会保険制度に対して支払われるもの
    なども社会保険料控除の対象となります。一方、医師年金や歯科医師年金は対象となりません。
  2. e-Taxによる電子申告の場合には提出をしなくても構いません。

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