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所得税

確定申告では仮想通貨の収支の明細書を提出する必要はない

平成29年はビットコインをはじめとする仮想通貨の取引が大流行しました。一年間で通貨価値も大きく上昇をしたため、得をしたという人も多くいると思います。利益を発生させた場合(会社員なら20万円超の利益)、3月15日までに確定申告をしなければなりません。どのような準備をしていけばいいのでしょうか。

仮想通貨と確定申告の基本的な話はこちら

一年間の取引をまとめる

1月1日から12月31日までに行なった以下の全ての取引をまとめます。

  • 仮想通貨を日本円に売却した時
  • 仮想通貨で商品やサービスを購入した時
  • 仮想通貨と他の仮想通貨を交換した時

例に沿って示していきたいと思います。

5/31に1BTC(116,650円)を購入した。
12/5に1BTC(1,316,133円)を売却した。
売買手数料と出金手数料は2,581円であった。
4/30に仮想通貨の書籍(1,620円)を購入した

収入金額

利確した時に手に入れた金額です。利益の金額ではありません。

例題では、12/5に利確をしていますので、その売却額1,316,133円が該当します。

必要経費等

原価

売却した仮想通貨を購入した時に支払った金額です。

例題では、5/31の購入額116,650円が該当します。

経費

仮想通貨の取引のために支出した金額です。

例題では、売買手数料と出金手数料、書籍代の合計4,201円です。

合計する

原価や経費を全て合計した金額が必要経費等です。

例題では120,851円です。

差引金額

収入金額から必要経費等を差し引いた金額です。

例題では1,316,133円-120,851円=1,195,282円です。

金額のまとめる方法

ノートで手書きでまとめても、エクセルなどパソコンを使っても、申告する人がやりやすい方法でまとめていきましょう。書籍の購入などで支出したレシートや領収書は必ずとっておきましょう。まとめたものは、破棄せず大切に保存しておきましょう。

 

確定申告書を書く

書類を用意する

仮想通貨の申告のために使用する書類は確定申告書第一表と第二表だけです。確定申告書はAとBの二種類ありますが、会社員の方ならどちらでも構いません。下の図は確定申告書Bです。

仮想通貨専用の書類はない

株式取引、FX取引の申告などでは、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」や「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」といった収支をまとめる明細書がありますが、仮想通貨の申告ではそのような明細書は一切ございません。

収支は第二表に記入する

確定申告書の第二表に各自でまとめた収支を「雑所得(公的年金以外)、総合課税の配当所得、譲渡所得、一時所得に関する事項」の欄に記入します。収入金額や必要経費等、差引金額は各自でまとめた金額を記入します。

第一表にも記入する

確定申告書の第一表には第二表で記入した金額を転記します。収入金額等の欄には収入金額、所得金額の欄には差引金額を記入します。

 

収支の明細書は提出する必要はない

収支額など各自でまとめたものは、明細書として確定申告書と一緒に提出する必要はありません。第二表に収支を記入するだけです。

収支の明細書は必ずとっておこう

各自でまとめた収支の明細書は確定申告書と提出する必要はありません。しかし、申告書を提出した後に税務署から問い合わせが来ることもあります。その場合、仮想通貨に関する資料をすみやかに提示しなければなりません。申告してから5年以上は必ず保存しましょう。

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