収入や所得によっては確定申告は不要だけど、住民税の申告が必要になる人もいます。
全体からみると少数になりますが、住民税の申告が必要な会社員についてまとめていきたいと思います。
確定申告と年末調整について
まずはじめに年末調整と確定申告について見ていきたいと思います。
年末調整は所得税と住民税の申告である
12月1月ごろに勤めている会社で行われる年末調整は一年間の所得税を計算し、確定額と源泉徴収額から給料で還付もしくは追徴を行います。
同時に源泉徴収票が作成されます。会社は本人に渡すとともに、その本人が住んでいる市区町村の役所が送っています。給与支払報告書という名前に変わりますが、源泉徴収票と内容は全く同じです。市区町村は受け取った給与支払報告書に基づいて住民税の計算を行い、5月に住民税の決定通知書を送付し、6月の給与から住民税の徴収が行われます。
年末調整は所得税だけでなく住民税の申告でもあるのです。
確定申告も同様である
基本的に会社員の人は年末調整で税金の精算を行いますが、給与以外に所得がある人は確定申告をしなければなりません。申告書を税務署に提出して、年末調整と同様に所得税の確定額から納付もしくは還付を行います。
税務署が受け取った申告書データはその申告した人が住んでいる市区町村の役所に送られます。市区町村は受け取った申告書データに基づいて住民税の計算を行い、5月に住民税の決定通知書を送付し、6月の給与から住民税の徴収が行われます。
役所には会社が送った給与支払報告書もありますが、確定申告をしている人は確定申告書を優先して住民税の計算を行っています。
税務署に提出した確定申告書も所得税だけでなく住民税の申告でもあるのです。
給与以外の所得が20万円以下なら確定申告しなくていい
基本的に給与以外に所得があれば確定申告をしなければなりませんが、その給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告をしなくてもいいということになっています。つまり20万円以下と少額なら所得税は免除されています。
不要でも確定申告をするのは可能である
確定申告をする必要ないときでも、年末調整で適用できない医療費控除や住宅ローン控除などで税金が返ってくる確定申告をすることは可能です。もちろん確定申告で住民税の申告をしたことにもなります。
確定申告では20万円以下の所得も申告をする
給与以外の他の所得が20万円以下は所得税が免除されるというのは確定申告をしない人についてです。確定申告をする人は、20万円以下の所得も含めて申告をしなければなりません。
住民税の申告について
次に住民税の申告について見ていきます。
年末調整や確定申告をした人は住民税の申告をする必要ない
年末調整や確定申告は住民税の申告でもあるので、改めて役所に住民税の申告書を作成提出する必要はありません。
給与以外の所得が20万円以下の人
給与以外の所得が20万円以下であれば所得税の確定申告は免除されますが、住民税はそうではありません。給与以外の所得があり、確定申告をしていない場合は必ず住民税の申告を行わなければなりません。
2か所給与の人
2か所以上から給与を受けている人でも確定申告をしなくてもいい場合があります。その場合でも給与以外の所得があれば住民税の申告をしなければなりません。
所得が2か所給与だけの確定申告をしなくてもいい人は住民税の申告をする必要はありません。住んでいる市区町村の役所には複数の給与支払報告書が送られ、役所はそれを合算して住民税の計算を行います。
2か所給与で確定申告をしなくてもいい人についてはこちらでまとめています。
所得について
所得とは簡単に言うと利益のことを指します。
よくある給与以外の所得を挙げていきたいと思います。複数の給与以外の所得がある人はそれらを全て合計します。
副業や金融商品の売買
ネット通販やオークションでの転売、仮想通貨、FXなどインターネットが普及した現在は会社員の人でも簡単にできる副業が多くあります。それらを行っている人全てに給与以外の所得があるわけではありません。収入があってもそれと同額もしくはそれ以上の経費(商品や金融商品の原価や手数料など)があれば所得(利益)はゼロとなります。
一時所得
生命保険の満期返戻金や公営ギャンブルの払戻金などは一時所得に該当します。この所得は特別控除額が50万円あるため、収入があっても所得がないという場合もあります。
一時所得の計算式
(収入金額 - 収入にかかる経費 - 特別控除50万円)✕ 0.5
計算結果がゼロ未満ならゼロとなります。
交通事故の賠償金は含めない
交通事故などで加害者から慰謝料や賠償金は基本的に非課税所得となるため、給与以外の所得には含まれません。不倫や浮気の慰謝料や示談金も同様です。
源泉徴収あり口座での株式の売買や配当金は含めない
株式などの配当金や特定口座(源泉徴収あり)での株式の売買などの所得(利益)は給与以外の所得金額には含めません。これらは金融機関から入金を受けるときにすでに所得税と住民税の天引きされていて、そこで納税が完結しているからです。