手術や入院にかかった費用はどこまでが確定申告で使えるのでしょうか?医療費控除の対象になる入院費用についてまとめてみました。
手術や入院にかかる費用
手術代
医師に対しての治療代や診療代が医療費控除の対象になるので、けがや病気の手術代や入院費用も対象となります。
給付金を差し引いた金額が医療費控除の対象になる
健康保険からの高額療養費や、加入している保険会社からの入院給付金を受け取ったときは、手術代や入院費用からその高額療養費や給付金を差し引いた金額となります。
つまり、自己負担分の手術代や入院費用が医療費控除の対象となります。
医療費控除ではこのような金額を「補填される金額(補填額)」といいます。手術代や入院費用が補填額で全て賄われた場合には一切対象にはなりません。
傷病手当金や給与保障の保険金は関係ない
高額療養費や入院給付金とは別に、傷病手当金や給与保障の保険金も支給されることがあります。
これは入院や手術のために会社を休んだことによって得られなかった給料を補うための手当です。手術代や入院費用とは一切関係ないものになるので「補填される金額(補填額)」にはなりません。
傷病手当金や給与保障の保険金以外にも会社などから受け取った見舞金も除外します。
食事代
入院中に病院が用意した食事にかかる費用は医療費控除の対象になります。
ただし、スーパーやコンビニ、売店で購入したお菓子やお弁当など病院が用意した以外の食事にかかる費用は医療費控除の対象にはなりません。
入院患者の食事代(国税庁webサイト)
病院が用意した特別食の加算分も対象となります。
パジャマなどのアメニティグッズ
手術や入院のために購入したパジャマなどの衣類や洗面具などのアメニティグッズの購入費用は医療費控除の対象にはなりません。
入院のための寝具や洗面具等の購入費用(国税庁webサイト)
また、病院に支払うクリーニング代もシーツや枕カバーにかかる費用は医療費控除の対象になりますが、パジャマにかかる費用は医療費控除の対象にはなりません。
病院に支払うクリーニング代(国税庁webサイト)
入院生活で必要なものは医療費控除の対象にはなりません。判断が難しいところですが、手術や入院で必要なのか、入院生活で必要なのかで分けて考えるようにしましょう。
個室の差額ベッド代
入院時の個室の差額ベッド代(室料差額)は本人や家族の希望による場合、医療費控除の対象にはなりません。一方、医師の指示のときの差額ベット代は医療費控除の対象となります。
差額ベッド料(国税庁webサイト)
交通費
入院や退院のときの電車代やバス代も医療費控除の対象になります。
タクシー代は基本的には医療費控除の対象になりませんが、タクシーを使わざるを得ない病気やけがのときは認められます。
自家用車について
医療費控除の対象になるのは正確には、電車代やバス代などの「人的役務の提供の対価」、つまり誰かに運んでもらってそれに対して支払ったという金額です。
自家用車で通院するためのガソリン代、駐車場代、高速道路料金などはこの「人的役務の提供の対価」に一切該当しません。そのため、入退院のために支出したものであっても、医療費控除の対象にはなりません。
自家用車で通院する場合のガソリン代等(国税庁webサイト)
その他、医療費控除の対象になる費用
- 氷枕や氷のう、吸いのみ
- 医療器具、用品
その他、医師の指示により購入した治療にかかる用品の購入代やレンタル代も医療費控除の対象になります。
その他、医療費控除の対象にならない費用
- 一時帰宅の交通費
- 見舞いに来た家族の交通費
- 医師や看護師への謝礼、贈答品
- 入院中の散髪
- 付添人の食事代、ベッド代
- テレビや冷蔵庫の使用料
その他、これらの費用は医療費控除の対象にはなりません。
幼い子どもの入院のときには親が付き添うことがありますが、その付添人にかかる食事代や交通費、ベッド代は全て医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除の書き方
翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書第一表と第二表、医療費控除の明細書に必要事項を記入することによって適用を受けることができます。
書類の書き方についてはこちらでまとめています。
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