延納制度の適用を受けたとき、利子税がかからない延納届出額についてまとめてみました。
資金繰りが難しい人などは制度を上手く利用しましょう。
利子税の計算
延納制度の適用を受けたとき、本税に加えて利子税という税金がかかることがあります。利子税は次の計算式で求めます。
計算式
- 利子税 =
延納税額 × 利率 × 延納日数 / 365日
利率
利子税の利率は毎年国税庁から発表されます。平成30年平成31年の申告の利率は年1.6%です。
延納日数
延納日数は、申告期限から延納額の納付日までをカウントをします。つまり、3月15日から5月31日までなので77日間です。
延納税額で決まる
計算式の中の「利率」と「延納日数」は固定されているので、延納税額で利子税の金額が決まります。
延納税額が低ければ、利子税はかかりません。
利子税がかからない延納税額とは?
利子税が1,000円未満なら免除される
利子税は国税の中でも附帯税の一つに含まれます。附帯税の計算には以下のようなルールがあります。
第九章 雑則
(国税の確定金額の端数計算等)
第百十九条
4 附帯税の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満(加算税に係るものについては、五千円未満)であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。出典 e-Gov 国税通則法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337AC0000000066&openerCode=1#1025
このように、計算を行った結果、利子税が1,000円未満になった場合は免除されます。
延納税額は1万円未満を切捨てする
利子税を計算する上でもう一つ重要なルールがあります。
第九章 雑則
(納税管理人)
第百十八条
3 附帯税の額を計算する場合において、その計算の基礎となる税額に一万円未満の端数があるとき、又はその税額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。出典 e-Gov 国税通則法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337AC0000000066&openerCode=1#1019
利子税の計算式では、延納税額は1万円未満を切捨てします。つまり、延納税額が700,000円も709,000円も利子税は同じになります。
利子税がかからない延納税額は299,000円
以上のルールを踏まえて計算をしていくと、利子税がかからない延納税額は1,000円から299,000円まで設定した場合となります。
計算の根拠については下をクリックすると表示されます。
延納制度について
延納できるのは最大で半分だけ
延納する税額は千円単位で自由に決めることができますが、延納できる税額は申告書第一表の「納める税金」の半分以下の金額でなければなりません。
つまり、299,000円の延納税額を申請するには、「納める税金」が598,000円以上でなければなりません。
延納制度の申請方法などについてはこちらのページでまとめています。
利子税の利率は年々下がっている
利子税の利率は短期貸出約定平均金利から計算されています。現在、日本は超低金利の時代を進んでいます。そのため、毎年更新される利子税の割合も年々下がっています。
年 | 利子税の利率 |
平成26年 | 1.90% |
平成27年 | 1.80% |
平成28年 | 1.80% |
平成29年 | 1.70% |
平成30年 | 1.60% |
平成31年 | 1.60% |
延納制度はだれでも簡単にすることができ、30万円近くの所得税の納付を利子税なしで2ヶ月半も延期することができます。納税額は多いけどあまり手元にキャッシュがないという人は超低金利時代を利用して、上手く資金繰りをするのもいいと思います。