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住民税の特別徴収と普通徴収についてわかりやすく解説!

5月ごろに住んでいる市区町村の役所から住民税の課税通知書が送られ、6月から住民税の徴収が始まります。住民税の納付の方法は普通徴収と特別徴収の2種類があります。それぞれの納付についてまとめていきたいと思います。

会社員の住民税-特別徴収

会社の給与から天引きされる

会社員の人は毎月支給されている給与から住民税分の金額が差し引かれ、その金額を会社が市区町村の自治体に納付をしています。この方法を特別徴収といいます。本人が能動的に納付するということはないので、実感がない人も多いですが、給与明細書には住民税が所得税と一緒に記載されています。給与明細書には「地方税」と記載されていることもあります。

12等分した金額が毎月差し引かれる

特別徴収では決定された住民税の12等分した金額が6月から翌年の5月までの差し引かれています。そのため、毎月の給与では毎月発生しますが、ボーナスの支給などでは差し引かれません。

本人の課税通知書は会社に送られる

市区町村の役所は会社に住民税の納付書や課税通知書を送ります。本人に直接送付されることはありません。役所が会社に送った住民税の資料の中には本人用の住民税の課税通知書があり、会社から本人が受け取ります。

退職をしたときは

会社を退職したとき、退職月以降の住民税も本人が負担する必要があります。会社を辞めた月によって扱いがそれぞれ異なりますが、残りの月の分を全て最後の給与で差し引いたり、下で説明する普通徴収に切り替えたりします。詳しくはこちらで説明しています。

個人事業主、無職の住民税-普通徴収

本人が納付を行う

個人事業主や無職の人は5月ごろに市区町村の自治体から本人の住所に住民税の課税通知書や納付書が送られます。その通知書に従って本人がコンビニや金融機関などで住民税を納付します。この方法を普通徴収といいます。

4回の納付がある

普通徴収の納付は住民税の4等分した金額を4回に分けて納付します。納付期限は第1期は6月末、第2期は8月末、第3期は10月末、第4期は1月末となっています。それぞれ期限が分かれていますが、6月に4回分を全て納付してしまっても問題ありません。

期限を過ぎると延滞税がかかることもある

納付の期限を過ぎてしまうと役所から督促が来てしまいます。延滞した金額が大きかったり、延滞の日数が長かったりすると延滞税がかかることもあります。期限を過ぎないように管理しましょう。延滞が悪質だと財産の差し押さえなども行われます。

クレジットカードで納付できるところも増えてきた

パソコンやスマートフォンでインターネットショッピングをするような形で、住民税をクレジットカードで納付することができる自治体も増えてきました。インターネット環境があれば24時間どこでも納付することができます。

 

年金受給者の住民税-特別徴収

年金から天引きされる

会社員の給与のように年金受給者も基本的には受け取る年金から住民税が差し引かれます。2か月1回の支給なので、住民税の徴収は年6回になります。

会社員の特別徴収とは少し異なる

年金の支給月の前半(4月、6月、8月)と後半(10月、12月、2月)で扱いが変わります。

4月、6月、8月の支給

4月、6月、8月の年金の支給では前年に決定した住民税の半分の金額を3回に分けて徴収します。この3回は前年の実績に基づいた仮の納付です。

10月、12月、2月の支給

10月、12月、2月の年金の支給では決定した当年の住民税から4月、6月、8月の仮の納付額を差し引いた金額を3回に分けて徴収します。つまり、この3回で決定された住民税の金額に調整されるのです。

 

決定した住民税を12等分して徴収する会社員の特別徴収とは少し異なりますが、年金受給者の年収は大きく変動することがないので、前半の3回と後半の3回でも年金から天引きされる住民税は殆ど変わらないと思います。

 

会社員の特別徴収を義務化されてきている

会社での事務作業が増える

特別徴収は本人にとっては非常に楽ですが、会社にとっては、一人ずつ給与計算で天引きしたり、毎月納めたりと事務作業が増えます。そのため、特別徴収をやりたくないという会社も少なくありません。

特別徴収が義務化されてきている

かつては会社員でも普通徴収をすることを認めているところもありましたが、大都市を中心に平成26年ごろから特別徴収を徹底されてきています。会社が役所に提出する書類に普通徴収を選択しても特別な理由がない限り認められておりません。

東京都でもこのようなパンフレットを設置しています。
 icon-chevron-circle-right 事業主の皆様(東京都PDFファイル)

会社員でも自宅に納付書が届けば普通徴収となる

会社員でも普通徴収を認めている地域はあります。その場合は、個人事業主と同じように役所から直接自宅に住民税の課税明細書や納付書が届けます。その時は期限を守って納付しましょう。

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