【税理士監修】難しく複雑な税金制度を分かりやすく簡潔に!

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申告書の控えは必ず作ろう

確定申告書は税務署に提出してしまうため、手元には残りません。そのため、提出する確定申告書と同じものを控えとして作成します。会計事務所や税理士事務所では控えの申告書を作成するのは当たり前ですが、一般の人が作成する自分の申告書には控えを作らない人も多くいます。自分の申告書であっても、控えは必ず作ったほうがいいです。

何かと必要になる確定申告書の控え

翌年以降に作成する申告書の参考になる

職業を変えたりなど大きな変更がなければ、確定申告書は毎年同じようなものが出来上がります。確定申告書は一年に一回しか作成しないので、思い出しながら調べながらになってしまいますが、それが控えがあることによって良いヒントになります。そのため、前年の確定申告書があるとスムーズに申告書の作成をすることができます。

申告書を提出した後に、記入ミスや漏れに気づいてしまい、訂正を行うのは非常に面倒な作業です。過去の申告書があれば、見落としにも気づくこともでき、チェックもしやすくなるので、ミスにも対処することができます

予定納税、中間納付、個人事業税の金額の計算の根拠になる

要件を満たすと、所得税や消費税の前払い(予定納税、中間納付)を行います。前払い納付の時期や金額は前年の実績、つまり前年の確定申告書から算出されます。また、個人事業主の人は8月と11月に個人事業税の納付があります。個人事業税もまた確定申告書から算出されます。

計画的な納税を行うためにも、これらの税金を自分で算出して備えておくことが必要となります。

所得を証明する資料になる

住宅や車の購入でローンをする時や保育所の入園申請などでは所得を証明することが必要になります。確定申告をしなければ源泉徴収票が手元にあるので、それを提出すれば証明することができます。しかし、確定申告をすると、源泉徴収票の原本を提出しなければならないので、手元に所得を証明するものが残りません

 

申告書を取り寄せると時間とお金がかかる

一度税務署に提出した確定申告書のコピーを受け取ることができますが、無料ですぐにはできません。税務署に保有個人情報開示請求書というものを提出します。その際には、必要事項を記入するとともに、300円の収入印紙を購入して貼り付けなくてはなりません。提出して一ヶ月以内に税務署に受理され確定申告書のコピーが送付されます。

自分が作成した自分の所得ついてのものですが、一度税務署に提出してしまったものは、本人であっても正式な手続きを取らないといけません。その上、すぐに手に入れることもできません。

 

申告書控えを作成するポイント

源泉徴収票や保険の控除証明書などはコピーしておこう

源泉徴収票や保険の控除証明書なども原本を提出するため手元には残りません。そのため、申告書の控えを用意すると同時に、提出する資料もコピーをして控えと一緒に綴じ込んだほうがいいです。

翌年以降の作成の参考にする時に、確定申告書だけしか手元に残らないと、どのような資料を準備したのか分からなくなってしまいます。その上、資料の中のどの数字を引っ張ってきたのかということも参考にすることができなくなってしまいます。そのため、提出した資料は全てコピーをして残すようにしましょう。

控えにマイナンバー関連の資料は綴じ込まない

提出用の申告書には本人確認書類としてマイナンバーカードや通知カード、身分証明書を提出します。しかし、控え用の申告書にはマイナンバーは一切必要ないので、マイナンバー関連の資料を一緒に綴じ込む必要はありません

提出する申告書をコピーしたものでも構わない

確定申告書は提出用と控え用でそれぞれ雛形が用意されています。パソコンで申告書を作成する場合、提出用と控え用それぞれに印字された申告書が作成されます。手書きで作成する場合も、それぞれに内容を記入しても構いませんが、同じものを2回記入するため、時間がかかって面倒になってしまいます。

しかし、控え用の申告書に記入したものでなければ、控えとして扱われないわけではありません。提出した申告書と内容が同じものであれば控えとして扱うことができます。そのため、提出用の申告書を完成させ、それをコピーしたものを控え用としてしまっても問題ありません。

マイナンバーを記入する前にコピーしよう

控えにマイナンバーが残らないようにするために、マイナンバーを記入する前にコピーした方がいいです。控えにマイナンバーが記載されていると何かと扱いが面倒になってしまうためです。もし、記入した後に申告書をコピーした場合は、マスキングや黒塗りなどでマイナンバーが見えないようにしましょう。

 

申告書の控えも一度税務署に提出する

確定申告書の控えは税務署に一度提出をすると、第一表に青色の収受日付印というものが押されて返ってきます。金融機関に所得の証明をする時などには、この収受日付印がないと受け取ってもらえません。また、所得税の還付がなかなか行われない時や税務署内で何か手続き漏れがあった場合は収受日付印の控えがあるとスムーズに解決します。

収受日付印の申告書控えは所得を証明する正式な書類ではない

収受日付印は申告書をその日付に受け取った事実を証明するものであって、内容を証明するものではありません。そのため、収受日付印が押されている申告書の控えは所得を証明するものではありません。

正式な書類ではないけど証明できる

しかし、所得を証明するために、税務署から確定申告書のコピーを取り寄せるのは、時間もお金もかかってしまうため現実的ではありません。そのため、ほとんどの機関では、収受日付印がある申告書の控えで所得の証明をすることができます

収受日付印がない申告書の控えは自由に作ることができてしまうため、金融機関などでは所得の証明として一切受け付けてもらえません。

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