【税理士監修】難しく複雑な税金制度を分かりやすく簡潔に!

そよーちょー通信

年末調整

年末調整で適用できない控除

会社員のほとんどの方は確定申告ではなく、年末調整で税金を確定させます。しかし、確定申告でできて、年末調整でできない税額控除、所得控除がございます。それらの控除を適用する場合は確定申告をしなければなりません。しかし、税金が大きく優遇することができるものもあり、確定申告をしないともったいない制度も多くございます。住宅や家財に関するものが比較的多くなっております。

確定申告の提出期限は5年間

年末調整でできない控除を適用して確定申告をすると、所得税の還付を受けることができます。確定申告は翌年の2月16日から3月15日までにするものと思っている人が多いですが、このような還付の申告は対象期間の翌年1月1日から5年間が有効となります。つまり、2013年の所得税の還付申告であれば、2018年12月31日までが有効となります。還付の申告を行うと、住民税も還付もしくは毎月の徴収が減額調整されます。この5年間で適用できる控除がないか確認してみるのもいいでしょう。思わぬ還付があるかもしれません。

年末調整で適用できない所得控除

雑損控除

火事や台風、地震、害虫などの被害にあって住宅や家財などに損害を受けた人や、盗難や横領により財産に損失が生じた人が適用できる控除です。しかし、別荘や30万超の貴金属や美術品などの生活に通常必要でないとされる資産に被害があった場合は適用できません。また、振り込め詐欺や霊感商法などの詐欺による損失があった場合でも適用することはできません。

医療費控除

一年間のうちに医療費を多額に支払った場合、一定の金額を所得から差し引くことができる制度です。医療費とはいっても、医院までの交通費や医師の指示に基づいて購入した医薬機器代、整骨院の施術費など多岐に渡って対象となるものがございます。しかし、美容整形費用や健康診断代、予防接種代などは適用できません。また、自分だけでなく生計を一にしている家族の分の医療費も一緒に適用することができます。確定申告の際は領収書が必要になります。

セルフメディケーション税制

平成29年1月より新たに創設された医療費控除です。従来の医療費控除と選択適用になります。一年間の内に健康診断やがん検診、予防接種を受けている人(領収書や診断書が必要になる)がドラッグストアなどで購入したOTC医薬品の合計金額が12,000円を超える場合、その超えたところからを所得から差し引くことができる制度です。OTC医薬品はパッケージに以下のマークが入ってます。確定申告の際は領収書が必要になります。

寄附金控除

地方公共団体や公益法人、NPO法人、政党などに寄付をした人で合計額が2,000円を超える場合、一定の金額を所得から差し引くことができる制度です。確定申告をする際は領収書が必要になります。ふるさと納税も寄付金に含まれます。年末調整をしている会社員の方で一年間のふるさと納税の寄付先が5つまでなら、ワンストップ特例制度を適用すると、確定申告をしなくても寄付金控除を受けられます。

年末調整で適用できない税額控除

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

住宅ローンを利用して住宅の新築、取得または増改築を行い、平成33年12月31日までにその家に住み始めた場合、一定の要件に当てはまるとき借入金残高の一定額を所得税額から控除する制度です。この控除は最大10年間適用できる制度であり、2年目以降は「ローンの年末残高証明書」と「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を勤めている会社に提出すれば年末調整だけで控除を受けることができます。

住宅耐震改修特別控除・住宅特定改修特別税額控除

昭和56年5月31日以前に建築された自己が居住する家屋について、平成33年12月31日までに耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修をした場合に、一定額を所得税から控除する制度です。要件を満たせば、住宅耐震改修特別控除と住宅特定改修特別税額控除は併用適用することができます。また、住宅耐震改修特別控除は要件を満たせば、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と併用することができます。

認定住宅新築等特別税額控除

認定長期優良認定住宅もしくは認定低炭素住宅を新築、取得し、平成33年12月31日までにその家に住み始めた場合、一定の要件に当てはまるとき、認定住宅を建築するにかかった上乗せ分のコストの10%を所得税額から控除する制度です。この制度は(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と併用適用することができません。どちらかを選択適用となると最大10年間適用できる(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の方が有利になるケースが多いです。

配当控除

国内に本店がある法人から支払いを受けた配当所得があるとき、配当金額に対して一定額の税額控除を受けることができる制度です。適用する場合、配当所得も確定申告しなければなりません。そのため、年収が高い方は配当控除を適用しない方が税金が有利になるケースが多いです。

外国税額控除

外国所得税が課税された所得について、所定の計算により日本の所得税から控除する制度です。外国での所得について二重課税を避けるために存在します。

政党等寄附金特別控除・公益社団法人等寄附金特別控除・認定NPO法人等寄附金特別控除

政党、政治資金団体、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、認定NPO法人などに寄付をした場合、所定の計算により所得税から控除する制度です。所得控除の寄付金控除とはどちらかの適用になります。税金が有利になる方を選択します。

災害減免法による所得税の軽減免除

震災、風水害、火災などの災害により住宅や家財に甚大な損害を受け、保険金や損害賠償金などで補填された金額を除いた損害金額が住宅や家財の価格の2分の1以上に及ぶ場合で各種所得金額の合計額が1,000万円以下の時に所得税の一定額が減免される制度です。所得控除の雑損控除とはどちらかの適用になります。税金が有利になる方を選択します。

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