個人住民税は全ての人に課せられる税金ではありません。収入があっても要件を満たさなかった場合は住民税の納税をする必要がない場合があります。このページでは住民税の納税義務者についてまとめていきたいと思います。
個人住民税の納税義務者
個人住民税について地方税法では以下のように記載されています。都道府県税について記載されていますが、市区町村税についても同様です。
(道府県民税の納税義務者等)
第二十四条
一 道府県内に住所を有する個人(個人の道府県民税の賦課期日)
第三十九条 個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
つまり、その年の1月1日時点において、住所がある人が住民税の納税義務者となります。住民税の納付は6月から始まりますが、6月時点で住所があるかどうかは関係ありません。直近の1月1日の現況によって判断されます。
住民税の非課税となる人は
住所がある人に納税の義務が発生しますが、全ての人が住民税を納めているわけではありません。住所があっても収入がない人や、所得が少ない人には住民税が免除されるからです。
住民税が非課税になる要件は市区町村ごとによって異なります。アルバイト、パートの人や年金受給者なども要件を満たせば住民税を納めなければなりません。
詳しくはこちらでまとめています。
亡くなった人の住民税は?
亡くなった人については、1月1日に生きていたかどうかで住民税が納付の義務が発生するのかが決まります。
例えば、3月に亡くなった場合、1月1日には生きていたということになるので、6月から始まる住民税については納付の義務が発生します。死亡した後に住民税の納付書が届くので不自然ではありますが、亡くなった人は納税することはできないので、相続人が納税の義務を引き継ぐことになります。
相続人が相続放棄をした場合には、住民税の納税の義務を引き継ぐことはありません。
海外へ出国をした人の住民税は?
海外赴任などで日本国内に住所を持たなくなる人についても同様に、1月1日に住所があるかどうかで住民税が納付の義務が発生するのかが決まります。
4月に出国した場合
4月に海外赴任になった場合、1月1日には日本国内に住所があったということになるので、6月から始まる住民税については納付の義務が発生します。前年に課されている住民税の納付が終わっていない場合は、それも合わせて納税しなければなりません。
12月に出国した場合
12月に海外赴任になった場合、翌年の1月1日には日本国内に住所はないので、12月までに収入があったかどうかは関係なく、翌年の6月から始まる住民税については納付の義務は発生しません。しかし、海外出国前の6月から始まっている住民税については引き続き納税しなければなりません。
必ず役所で手続きを行う
転出届を提出する
出国をする前に住んでいる市区町村役所に転出届を提出しないと、納める必要のない住民税の課税通知書が届いてしまいます。必ず出国する前には転出届を提出しましょう。転出届は出国の1か月前から受け付けています。
納税管理人を申告する
海外赴任後に住民税を納付したり、課税通知書を受け取る場合には、本人の代わりに納付や課税通知書の受け取りをする納税管理人の指定が必要となります。出国前に住んでいる市区町村役所で手続きを行いましょう。
引越した人の住民税は?
住民税は住んでいるところの自治体から課税をされます。そのため、1月1日時点でどこに住んでいるかで納付先が決まります。
3月にA市からB市に引越しをした場合、1月1日時点ではA市に住んでいたので、6月からの住民税はA市に納付して、B市には一切納付はしません。B市に住んでいながらA市に納付をするのは少し不自然ですが、判定する日と納付する時期が異なるのでこのようになります。
B市で1月1日を迎えた年からは、B市に住民税を納めます。
金額も大して変わらない
住民税は各自治体が決定する税金なので、住んでいるところによって同じ所得でも住民税が異なることがありますが、大きく変わることはありません。
転出届、転入届を必ず提出する
引越し前の役所と引越し後の役所にそれぞれ転出届、転入届を提出していないと、住民税が二重で請求されてしまうことがあります。必ず引越しの前後には役所への手続きも済ますようにしましょう。
会社員の人は勤め先に引越しの旨と新たな住所を伝えるようにしましょう。