近年、国際化などで多くの日本人が海外でお仕事をしています。海外に転勤した後でも日本の住民税を納める場合が出てくることももあります。海外に転居したときの住民税の納付についてまとめていきたいと思います。
役所で必ず住民票の手続きをする
海外赴任などで日本国内に住所がなくなったときは必ず住んでいる役所で住民票の転出届を提出しましょう。住所が国内にあるかないかで住民税などの税金がかかってくるかどうかは決まってきます。転出届を提出していないと、本来納める必要のない税金を納めなくてはならないこともあります。
転出届は出国の1か月前から受け付けています。
出国後に住民税を納める必要があるかどうかは、出国した月を6月~12月、1月~5月に分けて説明します。
出国した月が6月~12月
翌年の6月からの住民税はかからない
住民税は1月1日時点で住所が日本国内にある人にかかってくる税金です。そのため、6月から12月までに出国をした人は翌年の1月1日には住所が日本国内にはないので、翌年の6月からの住民税はかかりません。
翌年5月までの住民税は納めなくてはならない
本来翌年の5月まで給与で天引きされる住民税については、途中で海外赴任があっても全額納めなくてはならないものです。納める方法は2つございます。
最後の給与で全て天引きする
出国する直前の最後の給与で翌年の5月分までまとめて天引きするという方法です。数ヶ月分まとめて住民税が徴収されるので、住民税が多い人は手取り金額がマイナスになってしまうこともあります。
代わりに納付してもらう
納付しきれなかった翌年5月までの住民税を日本に住む人に代わりに納めてもらうという方法です。役所で納税管理人の申告をすることにより、その納税管理人に納付書が届き、コンビニや金融機関などで納付を行います。
納税管理人を申告する場合としない場合に分かれる
6月から12月までに出国をした人は翌年5月までの住民税をまとめて天引きする方法を選ぶかどうかで納税管理人を申告するかしないかに分かれます。
出国した月が1月~5月
6月からの住民税はもかかる
住民税は1月1日時点で住所が日本国内にある人にかかってくる税金です。そのため、1月から5月までに出国をした人は1月1日には住所が日本国内にあるので、6月からの住民税はかかってしまします。
決定通知書は出国後に届く
住民税の決定通知書や納付書は5月から6月ごろに届きますので、日本にいる時点では住民税を納めることはできません。役所で納税管理人を申告し、住民税の決定通知書を受け取りと納付を代わりの人にやってもらいます。
出国した後に課税されるので少し違和感がありますが、住民税は1月1日時点で判定しているため必ず全額を納めなくてはなりません。
5月までの住民税も納めなくてはならない
もちろん本来5月まで給与で天引きされる住民税についても、途中で海外赴任があっても全額納めなくてはならないものです。納める方法は2つございます
最後の給与で全て天引きする
出国する直前の最後の給与で5月分までまとめて天引きするという方法です。
代わりに納付してもらう
納付しきれなかった5月までの住民税を納税管理人に納付してもらう方法です。この場合、納税管理人には5月までの住民税と6月からの住民税を納めてもらうということになります。
必ず納税管理人を申告しなければならない
1月から5月までに出国をした人は、6月からの住民税の納付を代わりにしてもらなわければならないため、必ず納税管理人の申告をしなければなりません。
納税管理人の申告をする
出国後に住民税を代わりに納めてもらう必要がある人は、住んでいる役所で納税管理人の申告を行います。役所によっても異なりますが、申告に必要になる主な事項は以下のとおりです。
- 本人の氏名、住所、電話番号、生年月日
- 本人のマイナンバー
- 納税管理人の氏名、住所、電話番号、生年月日
納税管理人は家族や親戚以外の人でも可能です。
役所に行かなくても申告できる?
役所によっては市区町村のホームページで納税管理人の申告書をアップロードしているところ多くあります。それを印刷記入して、役所宛に郵送をすれば、役所に行かなくても納税管理人の申告ができます。
マイナンバーに注意
納税管理人の申告のときに、本人の番号通知カード(マイナンバーカード)の提示を求めているところもあります。役所によって対応が異なりますので、事前に確認をするようにしましょう。
提示が必要なときは、窓口で申告する人は番号通知カード(マイナンバーカード)の持参を、郵送する人は番号通知カード(マイナンバーカード)のコピーの添付を忘れないようにしましょう。
帰国したら解任の手続きをする
海外から帰国をしたら住民票の手続きをしますが、同時に納税管理人の解任の手続きも行いましょう。
納税管理人を申告していないと
出国後に納める住民税があるのに納税管理人の申告をしていないと、役所は住民税の納付書や決定通知書を送ることができません。帰国後に住民税が課されてしまいます。住民税の延滞とみなされ、多額の延滞金が別途にかかってしまします。そうならないようにするためにも、必ず手続きを行いましょう。