譲渡所得税

特定居住用財産の譲渡損失の特例とは?損益通算と繰越控除についてわかりやすく解説!

投稿日:2018年11月6日 更新日:

特定居住用財産の譲渡損失の特例についてまとめてみました。適用を受けられれば、所得税と住民税で大きな節税を行うことができます。マイホームを売却した人は確認しましょう。

特定居住用財産の譲渡損失の特例とは

特定居住用財産の譲渡損失の特例とは、特定居住用財産を売却したときの譲渡所得がマイナスだった場合、確定申告で特例の適用をすると税金の優遇を受けるという制度です。

譲渡所得とは?

土地や建物を売却したときに発生する所得を譲渡所得と言います。

譲渡所得は、売却にかかる収入金額や売却した土地建物を取得したときの代金や諸費用から計算され、その所得がゼロ未満のとき譲渡損失となります。

土地建物の譲渡所得は別のページで計算機を用意しています。

特定居住用財産とは?

  1. 生活の拠点となっているマイホーム(土地建物)であること1
  2. 所有年数が5年を超えていること
  3. 引越してから3年以内に売却していること
  4. 売却の前日にマイホームのローンが残っていること
  5. ローン残高が売却代金を超えていること

これらを全て満たす土地建物が特定居住用財産となります。

1.生活の拠点となっていること

自分が所有している土地建物であっても別荘は適用を受けられません。

基本的に生活の拠点となっているかどうかは住民票で判断します。

2.所有年数が5年超

所有期間は売却日ではなく、売却した年の1月1日で計算します。実際の所有期間が5年を超えていても、ここでの判定は5年を超えないこともあります。

+ 判定計算機

マイホームを相続や贈与で取得したときは、前の所有者の取得した日で判定します。

3.3年以内に売却していること

引越してからすぐに売却していなくても、3年以内に売却していれば対象となります。

正確には、マイホームを引越した3年後の12月31日までに売却しているかどうかで判定するので3年を超えることもあります。引越してから売却するまでの間、貸し付けていたりしていても問題ありません。

4.ローンが残っているマイホーム

返済期間が10年以上のローンが売却の前日までに残っていなければなりません。ローンを完済しているマイホームは適用を受けられません。

5.ローン残高が売却代金を超えていること

マイホームの売却代金でローンを完済できる場合は適用を受けられません。

ローン完済できないときだけ

特定居住用財産の譲渡損失の特例とは、ローンが残っているマイホームを売却したが、売却収入でローンを完済できなかった人が適用を受けられる制度です。

譲渡損失が発生したからといって適用を受けられるわけではありません。

その他の要件

次の要件をひとつでも満たしてしまうと適用を受けられなくなります。

  • 売却先が身内である
  • 過去2,3年の確定申告で譲渡所得の特例を適用している

売却先が身内

マイホームを配偶者や直系血族、同族会社など身内に売却した場合は適用を受けられません2

譲渡所得の特例を適用している

これ以外にもマイホームの譲渡所得の特例はいくつかありますが、これらの特例を過去2年3年の確定申告で使っていると、特定居住用財産の譲渡損失の特例の適用受けることはできません。

  • 過去2年
    ・居住用財産の3,000万円特別控除の特例
    ・特定居住用財産の買換え、交換の特例
    ・居住用財産の定率分離課税の特例
  • 過去3年
    ・特定居住用財産の譲渡損失の特例(この制度)
    ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例

損益通算と繰越控除

  • 譲渡損失の金額(譲渡所得のマイナス分)
  • 譲渡代金 - ローン残高

適用を受けられると、どちらか小さい金額の損益通算もしくは繰越控除がされます。

損益通算

損益通算とは、給与所得や事業所得などに上で求めた金額を差し引くことです。

通常、土地建物を売却したときの譲渡所得のマイナス分を給与所得や事業所得などに損益通算することは一切できません。

特例で損益通算することによって課税所得金額が下がるため、納めるべき所得税や住民税が減額されます。会社員の人は確定申告で適用を受けることによって所得税が還付されます。

繰越控除

その年の給与所得や事業所得などへの損益通算で引ききれなかった分がある場合には、翌年以降3年にわたり持ち越すことができます。これを繰越控除といいます。

持ち越すことによって、翌年以降に発生した所得にも損益通算がされ、納めるべき所得税や住民税が減額されます。

合計所得金額3,000万円以下に人に限る

繰越控除するときだけは、本人の合計所得金額が3,000万円を超えると適用を受けられなくなります。3,000万円を超える人はかなりのお金持ちに限られますが、合計所得金額についてこちらのページでまとめています。

特定居住用財産の譲渡損失の特例を適用する方法

確定申告をする

マイホームを売却した翌年の2月3月ごろに自分で確定申告書を作成して税務署に提出します。申告書以外にも専用の明細書や書類の提出が必要になります。

  • 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
  • 特定居住用財産の譲渡損失の計算書
  • 売却した土地建物の売買契約書のコピー、登記簿謄本
  • 売却の前日におけるローンの残高証明書
  • 住民票
  • (戸籍の附票3

住民税も自動的に減税される

確定申告のデータは、自動的に住んでいる市区町村の役所に送られます。役所はそれに基づいて住民税の計算を行うため、確定申告を行えば、所得税だけでなく住民税も減税されます。

繰越控除をするときは毎年確定申告

繰越控除を行った場合は、翌年も確定申告しなければ損益通算を行うことはできません。毎年確定申告する必要があります。

無理にする必要はない

所得税や住民税を減らすことができますが、通常の確定申告より難しくなるので、慣れていないととても大変な作業になってしまいます。

この特例は任意で受けられる制度です。無理に申告をする必要はありません。

  1. マイホームは日本国内に限ります。
  2. 婚姻届を提出していない内縁関係にある人など他人でも生計を一にしているときは適用を受けられません。
  3. 売却前に引越しをしていて、住民票に記載されている住所が売却した土地建物の所在地と異なるときは必要になります。

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