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計算機 確定申告 譲渡所得税

株式の取引で前年に繰り越した損失と本年の利益を相殺させる確定申告書の書き方、計算機付き!

上場株式の売買で本年で利益が出たとき、前年に繰り越した損失と相殺させる場合の確定申告書の書き方についてまとめました。

作成の前に

繰り越した損失と相殺させて納税額を減らせる

上場株式において、確定申告によって本年に発生した売買の利益を過去3年間の損失と相殺させることによって、株式売買の利益に対する税金の額を少なくする、もしくは、ゼロにすることができます。

源泉口座でも適用できる

源泉口座で取引をしている場合、利益に応じた税金の額を金融機関で天引きされます。この場合、確定申告によって天引きされた税金の一部もしくは全部の還付を受けることができます。

必要書類

次の書類を用意して記入を行います。

  • 申告書B様式
  • 申告書第三表
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
  • 確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
  • 特定口座年間取引報告書
  • 前年の確定申告書

申告書B様式(第一表と第二表)

第一表と第二表には、AとBの2つの様式が用意されていますが、この申告では必ずB様式でないと申告書を作成することはできません。
  申告書B様式(国税庁webサイト)

申告書第三表

株式の売買での申告では、第一表と第二表に加えて第三表も必要です。
  申告書第三表(国税庁webサイト)

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

株式の売買の収支の状況を示す計算明細書です。1面と2面がありますが、2枚とも必要です。
  株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(国税庁webサイト)

確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)

翌年以降に持ち越す損失を示す明細書です。こちらも2面まで必要です。
  確定申告書付表(国税庁webサイト)

特定口座年間取引報告書

特定口座で株式の売買を行った場合には、年明けの1月に取引を行っている金融機関より「特定口座年間取引報告書」という書類が発行されます。

1月から12月までの株式の売買の損益や配当金の額、源泉所得税の金額などがまとめて記録されている書類です。インターネットで売買をしている人は、専用のwebサイトで電子交付されているので、そこからダウンロードで取得することができます。

前年の確定申告書

前年の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)がないと前年までの損失と本年の利益を相殺する申告書を作成することができません。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

2面から記入します。

2面

特定口座年間取引報告書が発行された金融機関ごとに記入をします。

口座の区分

どちらかに◯を入れます。

  • 源泉口座 → 所得税の天引きあり(源泉徴収あり)
  • 簡易口座 → 所得税の天引きなし(源泉徴収なし)

特定口座年間取引報告書では「源泉徴収の選択」の欄で確認できます。

取引先(金融商品取引業者等)

株式の取引を行った金融機関の名称を記入します。つまり、特定口座年間取引報告書を発行した金融機関です。株式の銘柄ではありません。

ネット系の証券会社は支店がありません。その場合には、支店は空欄にしてください。

取引の金額

特定口座年間取引報告書の「譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額等」の金額を転記します。

2面の記入はこれで完了です。「特定口座以外で譲渡した株式等の明細」は全て空欄にします。

1面

個人情報

申告の年分、本人の氏名、住所などを記入します。

⑥必要経費又は譲渡に要した費用

2面に記入した取得費と委託手数料以外で必要経費の領収書があればその金額を記入します。なければ空欄です。例として、次のようなものが挙げられます。

  • 株式の取引に関する書籍、雑誌
  • 株式の取引に関するセミナーの費用、交通費
  • パソコンの代金、プロバイダー費用

項目には主な費用の名称を記入しましょう。領収書は捨てずに保管しておきます。

自動計算機

2面に記入した金額から所得金額の計算をします。自動計算機を用意しました。1面と2面の黄色の欄に数字を入力して、計算ボタンをクリックすると「⑪所得金額」までの桃色の欄の計算が行われます。

計算機に表示された金額を転記します。

⑫と⑬の記入は後ほど

「⑫差し引く繰越損失の金額」と「⑬繰越控除後の所得金額」は次の確定申告書付表と連動しています。確定申告書付表の部分と一緒に計算を行うため、この段階では空欄にしておきます。

確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)

1面から記入します。

1面

個人情報

申告の年分、本人の氏名、住所を記入します。

記入は個人情報だけ

その他1面は何も記入しません。

2面

前年の付表からの転記

前年の確定申告書に添付した確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)の1面と2面から3か所転記をします。

自動計算機(計算明細書と確定申告書付表)

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の1面の⑪と確定申告書付表の2面の転記した黄色の欄に数字を入力して、計算ボタンをクリックすると桃色の欄の計算が行われます。

計算機に表示された金額を転記します。計算明細書と確定申告書付表の作成は以上となります。

申告書第一表、第二表、第三表

第一表、第二表

源泉徴収税の記入(源泉口座の場合)

第二表の「所得の内訳」は給与や年金の情報を記入する欄ですが、株式の売買で税金の天引きがされている場合には、給与や年金に加えて記入をします。

次のように、作成した計算明細書の2面から株式の売却収入と源泉徴収税額、金融機関の名称を転記します。

税金の天引きが行われていない場合には、記入をする必要はありません。

その他の欄

申告書第一表の左側と申告書第二表の記入を済ませます。詳しくはこちらのページでまとめています。

申告書第三表があるときの第一表と第二表の書き方(会社員版)

第三表があるときの第一表と第二表の書き方についてまとめました。 申告書第二表の書き方 先に申告書第二表の記入をします。 氏名など 氏名、住所 ...

第三表

3つのブロックに分けて説明します。

個人情報

第一表に記入した個人情報をそのまま転記します。特例適用条文に「措法41条15の1」、申告の区分に「確定」と入れます。

収入と所得

作成した株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の1面の金額を転記します。

  • 上場株式等③ → 収入金額㋡
  • 上場株式等⑪ → 所得金額65

その他

作成した確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)の金額を転記します。

  • 2面の⑨ → 87差し引く繰越損失額
  • 2面の⑪ → 88繰り越される損失の金額

税金の計算(自動計算機)

「税金の計算」の欄は計算機を用意しました。記入した第一表と第三表の5つ黄色の欄に数字を入力して、計算ボタンをクリックすると桃色の欄の計算が行われます。

00

計算機で求めた金額を転記します。

これで申告書の作成は以上となります。

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