亡くなった後には様々な手続きや協議、資料の準備などがあるため、相続税の申告書の提出の期限は短いと感じることも少なくありません。期限を過ぎてしまうとペナルティの税金がかかってしまいます。余計な税金がかからないようにするためにも期限を把握し計画的に申告の準備を進めていきましょう。
相続税の申告書の提出期限
国税庁のwebサイトには申告期限について以下のように記載されています。
2 相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
出典 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
知った日=亡くなった日
亡くなった日から起算して10か月以内に申告書の提出を行わなければなりません。2月18日に亡くなった場合、相続税の申告期限は12月18日となります。
相続税の納付期限も同じ
相続税の納付期限は申告書の提出期限と同じです。期限までに提出と納付を完了させなければなりません。税務署で用意している相続税の納付書を使って納付をします。税務署以外に金融機関や郵便局の窓口でも行うことが可能です。
期限日が土日、祝日の場合
土曜日、日曜日、祝日は税務署はお休みなので、申告書の提出をすることはできません。そのため、期限日が土日、祝日に当たる場合にはこれらの翌平日が申告期限となります。納付期限も同様となります。
なぜ「知った日」と記載されているのか?
亡くなった人が失踪していた、身元が分からず連絡が来なかったなど、死亡して月日が経って警察や弁護士などから知らせが届くこともあります。このようなとき、「亡くなったことを知った日」が適用されるのです。
この場合、相続税の申告ではどうすればいいのか税務署にお尋ねしたところ、「亡くなったことを知った日を証明するものの提出が必要になるわけではありませんが、メモ書きや便りがあれば残しておいてください。」とのことでした。
通信手段が発達している現在では、このような特殊なケースでない限り、知った日と亡くなった日は同じになります。
準確定申告の期限は4か月
1月1日から亡くなる日までの所得税の申告やその亡くなる前年の所得税の申告を準確定申告といいます。準確定申告書の提出は死亡したことを知った日の翌日から4か月以内に行わなくてはなりません。
自動計算フォーム
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申告書の提出先は?
亡くなった人の住んでいたところから判断する
相続税の申告書の提出先は、死亡したとき亡くなった人の住所地を管轄する税務署に提出します。相続人(財産を受け取る人)の住所地は一切関係ありません。
所轄の税務署は国税庁のこちらのリンクから確認することができます。
準確定申告書の提出も同じ
準確定申告書の提出先も死亡したときの住所地の所轄の税務署となります。
期限を過ぎたときのペナルティ
期限を過ぎて申告書の提出や相続税の納付を行ったとき、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されます。相続人同士の遺産分割などでの争いによって期限が過ぎてしまってもかかってしまう税金です。
無申告加算税
期限を過ぎてから申告書の提出を行ったときに課される税金です。納めるべき相続税額に対して5%の無申告加算税がかかります。
計算式
相続税額(1万円未満切り捨て) ✕ 5%
相続税の納税額は数百万円、数千万円にもなることも少なくありません。そのため、5%であっても多大な額の無申告加算税がかかってしまうこともあるので、十分に注意しなければなりません。
延滞税
期限を過ぎてから納税を行ったときに課される税金です。期限から遅れてしまった日数に対して利率をかけて計算をします。申告書を期限までに提出しているかどうかで計算が異なります。
期限内申告の場合
- 申告期限から2か月後まで
① = 相続税額(1万円未満切捨) ✕ 2.6% ✕ 日数 ÷ 365 - それ以降
② = 相続税額(1万円未満切捨) ✕ 8.9% ✕ 日数 ÷ 365
延滞税の金額 = ① + ②
期限後申告の場合
- 申告期限から申告書を提出した日の2か月後まで
① = 相続税額(1万円未満切捨) ✕ 2.6% ✕ 日数 ÷ 365 - それ以降
② = 相続税額(1万円未満切捨) ✕ 8.9% ✕ 日数 ÷ 365
延滞税の金額 = ① + ②
※延滞税の利率は平成30年のものです。
延納なら利率は低くなる
相続で受け取った財産が換金しづらい土地や建物の割合が多かったり、現預金の割合が少なかったりすると、期限内に納税することが難しいこともあります。
そのような場合には、申告期限までに税務署に延納申請を行うことによって、分割で納付を行うこともできるようになります。利子税という税金がかかってしまいますが、延滞税より低い利率となっています。