FXやCFD、先物オプション取引の確定申告をするときに必要な「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の書き方についてまとめました。自動計算機も用意しています。
記入する前に
対象となる取引
基本的には「先物取引」に含まれる取引が対象となります。
- FX(外国為替保証金取引)
- CFD(くりっく株365)
- 先物オプション
・指数先物取引
・指数オプション取引
判断できない場合は金融機関に問い合わせましょう。
必要書類
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 年間損益報告書
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
PDF形式で国税庁のwebサイトにアップロードされています。自宅やコンピ二などで印刷して用意しましょう。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書(国税庁PDFファイル)
年間損益報告書
1月から12月までの取引の損益や手数料などがまとめて記録されている書類です。インターネットで売買をしている人は、専用のwebサイトで電子交付されているので、そこからダウンロードで取得することができます。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の書き方
4つのブロックに分けて説明します。
個人情報
氏名と申告の年分を記入します。所得の区分は「雑所得」に丸を入れます。
取引の内容
税務署の記入例では取引の銘柄ごとになっていますが、それだと計算明細書が何枚も必要になってしますので、金融機関から作成された年間損益報告書ごとに縦列に記入を行います。年間損益報告書が4枚以上ある人は、計算明細書を複数用いて記入してください。
種類
年間損益計算書に記載されている取引の種類を記入します。取引の回数が少ない人は、商品名など細かく記入しても構いません。
決済年月日、数量
1年に何度も取引を行う場合もあるので、空欄にします。
決済の方法
「仕切」と記入します。仕切とは、建玉を売買することです。
総収入金額
年間損益報告書に記載されている金額を記入します。銘柄ごとではなく合計額の記入で構いません。
差し金等決済に係る利益又は損失の額
利益もしくは損失を記入します。年間損益報告書では「実現損益」や「取引損益」「売買損益」などと記載されている金額です。
売却時の決済金額ではないので注意してください。
譲渡による収入金額
何も記入しません。空欄にします。
その他の収入
FXの取引などでスワップ損益がある場合には金額を記入します。年間損益報告書では「実現スワップ」や「スワップ損益」「スワップポイント」などと記載されている金額です。
何もなければ空欄にします。
必要経費等
手数料等
年間損益報告書に記載されている取引のための手数料を記入します。金融機関によっては、手数料の消費税が別に記載されていることもあります。その場合には、消費税を加えた手数料の金額を記入してください。
FXなど手数料がない場合は空欄にします。
②に係る取得費
何も記入しません。空欄にします。
その他の経費
年間損益報告書にある手数料以外で必要経費の領収書があればその金額を記入します。なければ空欄です。例として、次のようなものが挙げられます。
- 先物取引に関する書籍、雑誌
- 取引に関するセミナーの費用、交通費
- パソコンの代金、プロバイダー費用
項目には主な費用の名称を記入しましょう。領収書は捨てずに保管しておきます。
小計、合計欄(自動計算機)
縦列、横列の小計の計算機を用意しました。黄色の欄に数字を入力すると、灰色の欄の計算が行われます。
計算機に表示された金額を転記します。計算明細書の作成は以上となります。
確定申告書への転記
第三表
完成した先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書から申告書第三表へ2か所転記をします。
- ④の合計 → 収入金額㋣
- ⑫の合計 → 所得金額67
(マイナスの場合には「0」を入れます。)