【税理士監修】難しく複雑な税金制度を分かりやすく簡潔に!

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所得税

ローンを組んで同居に対応したリフォームをすると税金を減らすことができる(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

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高齢化社会の日本は介護の問題も直面しています。年老いた親の介護が必要になることを見越して、親と同居するためのリフォームをすることも多くなってきました。同居に対応したリフォームをした場合、確定申告をすると所得税の控除を受けることができます。つまり、負担した費用を税金という形で軽減することができます。

これとは別に、ローンの有無に関わらず同居に対応したリフォームをすると所得税を減らすことができる住宅特定改修特別税額控除という制度もございます。この2つの制度を併用で適用することはできません。どちらか一方を選ぶこととなります。



対象となる同居対応リフォームとは?

  • 調理室を増設する工事(ミニキッチンも可)
  • 浴室を増設する工事(浴槽がないのシャワー専用も可)
  • 便所を増設する工事(小便器のみは不可)
  • 玄関を増設する工事

 

どれくらい所得税が控除されるのか?

所得税控除額(最高12.5万円) = A×2% + (B-A)×1%

  1. 増改築等の住宅ローンの年末残高のうち、バリアフリーリフォーム工事に要した額(最高250万円)
  2. 増改築等の住宅ローンの年末残高(最高1,000万円)
  • 居住した年から5年間所得税から控除することができます。
  • Aについて、国や市区町村などから補助金や給付金を受け取っている場合は工事に要した額から差し引きます
  • Aについて、費用の中に消費税が含まれていない場合は限度額は200万円になります。

 

適用を受けるための主な要件

適用期間

  • 平成33年12月31日までに居住を開始する
    (今後税制改正で期間が延長されるかもしれません)

本人(申告する人)

  • 合計所得金額が3,000万円以下であること(会社員は年収3,220万円以下)

家屋(住宅)

  • 申告する人が所有し、居住する家屋
  • 同居対応リフォーム後の家屋の床面積(登記簿表示)が50㎡以上であること
  • 工事完了日から6ヶ月以内に住んでいること

同居対応リフォーム

  • 建築士などから増改築等工事証明書により証明されること
  • 同居対応リフォームの工事費から補助金を差し引いた額が50万円以上であること
  • 返済期間が5年以上の住宅ローンであること

 

適用する際の注意

2年目からは年末調整で適用を受けられる

最大5年間所得税を控除することができる制度ですが、会社員の人は適用を受けるために毎年確定申告をする必要はありません。2年目からは勤めている会社の年末調整で適用を受けられます。会社には以下の資料を提出します。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書

自宅兼事務所の家屋の場合

個人事業などをしている人は取得した住宅の一部が事務所や作業場など事業の用に供している場合があります。その場合、リフォーム後の家屋の床面積の1/2以上が生活スペース(居住の用に供する部分)で、かつ、リフォーム費用の1/2以上が生活スペース(居住の用に供する部分)の費用であることが条件になります。

事前のシミュレーションが大切になる

この制度が適用できる場合、住宅借入金等特別控除や住宅特定改修特別税額控除なども適用できることが多いです。しかし、それらの制度を併用で適用することはできません。3つの制度のうちどれかを選んで確定申告を行います。そのため、それぞれどのくらい税金が優遇されるか事前にシミュレーションをして選択をしましょう。

住民税は控除できない

生命保険料控除などは所得税と住民税の控除の対象になりますが、この制度は住民税の控除の対象にはなりません。住宅借入金等特別控除では所得税で引ききれなかった部分を住民税で差し引くことができますが、特定増改築等住宅借入金等特別控除は一切できません。

 

その他の制度との関連性

併用で適用ができる

この同居対応改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除と以下の制度とは併用で適用を受けることができます。

  • 省エネ改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除
  • バリアフリー改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除

併用で適用できない

この同居対応改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除と以下の制度とは併用で適用を受けることができません。どちらが多く減税されるかを計算して選択しましょう。

  • 住宅借入金等特別控除(いわゆる普通のローン控除)
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除

 

確定申告書で必要な書類

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

制度を適用することによって、どれだけ税額が控除されるか計算する明細書です。提出用と住(○の中に)は同じものですが、どちらも税務署に提出をするため4枚添付します。

 icon-chevron-circle-right 計算明細書(国税庁PDFファイル)

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書

12月31日時点でもローンの残高を証明した資料です。ローンを組んでいる金融機関から発行してもらいます。

家屋の登記事項証明書(登記簿謄本)

家屋の床面積が50㎡以上であることを明らかにするために必要になります。

付表1 補助金等の交付を受ける場合の計算明細書

住宅の増改築で補助金を受けた場合、この明細書にも必要事項を記入して提出します。補助金の受給額の明細書もあれば一緒に提出をします。

 icon-chevron-circle-right 付表1(国税庁PDFファイル)

付表2 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書

夫婦で共有名義でローンを組んだ場合、この明細書にも必要事項を記入して提出します。

 icon-chevron-circle-right 付表2(国税庁PDFファイル)

 

確定申告で必要な書類

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書
  • 家屋の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 増改築等工事証明書
  • 介護保険の被保険者証の写し(要介護認定または要援助認定を受けている場合)
  • 確定申告書第一表、第二表
  • マイナンバーに関する書類
  • 源泉徴収票(会社員の場合)
  • その他所得がある場合の明細書
  • (付表1 補助金等の交付を受ける場合の計算明細書)
  • (補助金の受給額に関する明細書)
  • (付表2 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書)

 

還付申告は5年間さかのぼることができる

所得税が戻ってくる確定申告(還付申告)は5年前までさかのぼることができます。会社員で年末調整をしている人はこの住宅特定改修特別税額控除額の適用を受けると税金が戻ってくるため、還付申告に該当します。過去に行なったバリアフリーリフォームでも、資料が用意できるのであれば今からでも遅くないかもしれません。確認してみましょう。

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