【税理士監修】難しく複雑な税金制度を分かりやすく簡潔に!

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所得税

ローンを組んでバリアフリーリフォームをすると税金を減らすことができる(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

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若い時には気にしていなかった家の中の不便のところや危険なところが高齢になってくると気になるようになります。万が一の事故や生活のしずらさを防ぐためにバリアフリーのリフォームを行うことも多くなっています。ローンを組んでバリアフリーリフォームをした場合、確定申告をすると最大で5年間続けて所得税の控除を受けることができます。

これとは別に、ローンの有無に関わらずバリアフリーリフォームをすると所得税を減らすことができる住宅特定改修特別税額控除という制度もございます。この2つの制度を併用で適用することはできません。どちらか一方を選ぶこととなります。



対象となるバリアフリーリフォームとは?

控除の対象となるバリアフリーリフォームは、国土交通省が定めた基準を満たす工事です。主な工事として以下の様なものが挙げられます。

通路等の拡張

  • 通路を拡張するための壁、柱、ドアなどの取替や撤去の工事

階段の勾配の緩和

  • 従来より階段の勾配を緩やかにする工事
  • 玄関のスロープの設置工事 など

浴室改良

  • 浴室の床面積を広げる工事
  • 脱衣室の面積を広げる工事
  • 浴槽のまたぎを低いものに取り替える工事
  • 浴槽の出入りを容易にするための移乗台、踏み台の設置工事
  • 蛇口の移設、レバー式蛇口やワンプッシュ式シャワーへ取り替える工事

便所改良

  • 便所の床面積を広げる工事
  • 和式便器を洋式便器に取り替える工事
  • 便器の座高を高くする工事

手すりの取り付け

  • 各部屋や通路などに手すりを取り付ける工事

段差の解消

  • 敷居を低くする工事
  • 廊下のかさ上げの工事
  • 固定式スロープの設置工事

出入口の戸の改良

  • 開戸を引戸、折戸、アコーディオンカーテンに取り替える工事
  • 開閉を楽にするために、開戸のドアノブをレバーハンドルや取手などに取り替える工事
  • レール、戸車、動力装置を設置する工事
  • 開戸を吊戸方式に変更する工事

滑りにくい床材料のへの取替え

  • 各部屋や通路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事

 

どれくらい所得税が控除されるのか?

所得税控除額(最高12.5万円) = A×2% + (B-A)×1%

  1. 増改築等の住宅ローンの年末残高のうち、バリアフリーリフォーム工事に要した額(最高250万円)
  2. 増改築等の住宅ローンの年末残高(最高1,000万円)
  • 居住した年から5年間所得税から控除することができます。
  • Aについて、国や市区町村などから補助金や給付金を受け取っている場合は工事に要した額から差し引きます
  • Aについて、費用の中に消費税が含まれていない場合は限度額は200万円になります。

 

適用を受けるための主な要件

適用期間

  • 平成33年12月31日までに居住を開始する
    (今後税制改正で期間が延長されるかもしれません)

本人(申告する人)

  • 合計所得金額が3,000万円以下であること(会社員は年収3,220万円以下)

申告する人がいずれかにあてはまること(居住した年の12月31日時点で)

  • 50歳以上である
  • 要介護認定または要支援認定を受けている
  • 障害者に該当する
  • 65歳以上の同居している親族がいる
  • 同居している親族が要介護認定または要支援認定を受けている
  • 同居している親族が障害者に該当する

家屋(住宅)

  • 申告する人が所有し、居住する家屋
  • バリアフリーリフォーム後の家屋の床面積(登記簿表示)が50㎡以上であること
  • 工事完了日から6ヶ月以内に住んでいること

バリアフリーリフォーム

  • 建築士などから増改築等工事証明書により証明されること
  • バリアフリーリフォームの工事費から補助金を差し引いた額が50万円以上であること
  • 返済期間が5年以上の住宅ローンであること

 

適用する際の注意

 

2年目からは年末調整で適用を受けられる

最大5年間所得税を控除することができる制度ですが、会社員の人は適用を受けるために毎年確定申告をする必要はありません。2年目からは勤めている会社の年末調整で適用を受けられます。会社には以下の資料を提出します。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書

自宅兼事務所の家屋の場合

個人事業などをしている人は取得した住宅の一部が事務所や作業場など事業の用に供している場合があります。その場合、リフォーム後の家屋の床面積の1/2以上が生活スペース(居住の用に供する部分)で、かつ、リフォーム費用の1/2以上が生活スペース(居住の用に供する部分)の費用であることが条件になります。

事前のシミュレーションが大切になる

この制度が適用できる場合、住宅借入金等特別控除や住宅特定改修特別税額控除なども適用できることが多いです。しかし、それらの制度を併用で適用することはできません。3つの制度のうちどれかを選んで確定申告を行います。そのため、それぞれどのくらい税金が優遇されるか事前にシミュレーションをして選択をしましょう。

住民税は控除できない

生命保険料控除などは所得税と住民税の控除の対象になりますが、この制度は住民税の控除の対象にはなりません。住宅借入金等特別控除では所得税で引ききれなかった部分を住民税で差し引くことができますが、特定増改築等住宅借入金等特別控除は一切できません。

 

その他の制度との関連性

併用で適用ができる

このバリアフリー改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除と以下の制度とは併用で適用を受けることができます。

  • 省エネ改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除
  • 多世帯同居改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除

併用で適用できない

このバリアフリー改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除と以下の制度とは併用で適用を受けることができません。どちらが多く減税されるかを計算して選択しましょう。

  • 住宅借入金等特別控除(いわゆる普通のローン控除)
  • 住宅特定改修特別税額控除

 

確定申告書で必要な書類

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

制度を適用することによって、どれだけ税額が控除されるか計算する明細書です。提出用と住(○の中に)は同じものですが、どちらも税務署に提出をするため4枚添付します。

 icon-chevron-circle-right 計算明細書(国税庁PDFファイル)

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書

12月31日時点でもローンの残高を証明した資料です。ローンを組んでいる金融機関から発行してもらいます。

家屋の登記事項証明書(登記簿謄本)

家屋の床面積が50㎡以上であることを明らかにするために必要になります。

付表1 補助金等の交付を受ける場合の計算明細書

住宅の増改築で補助金を受けた場合、この明細書にも必要事項を記入して提出します。補助金の受給額の明細書もあれば一緒に提出をします。

 icon-chevron-circle-right 付表1(国税庁PDFファイル)

付表2 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書

夫婦で共有名義でローンを組んだ場合、この明細書にも必要事項を記入して提出します。

 icon-chevron-circle-right 付表2(国税庁PDFファイル)

 

確定申告で必要な書類

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等明細書
  • 家屋の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 増改築等工事証明書
  • 介護保険の被保険者証の写し(要介護認定または要援助認定を受けている場合)
  • 確定申告書第一表、第二表
  • マイナンバーに関する書類
  • 源泉徴収票(会社員の場合)
  • その他所得がある場合の明細書
  • (付表1 補助金等の交付を受ける場合の計算明細書)
  • (補助金の受給額に関する明細書)
  • (付表2 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書)

還付申告は5年間さかのぼることができる

所得税が戻ってくる確定申告(還付申告)は5年前までさかのぼることができます。会社員で年末調整をしている人はこの住宅特定改修特別税額控除額の適用を受けると税金が戻ってくるため、還付申告に該当します。過去に行なったバリアフリーリフォームでも、資料が用意できるのであれば今からでも遅くないかもしれません。確認してみましょう。

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